from heart beat

観たものについて書いたり書かなかったりします。

2024年2月ロンドン一人旅

今年の2月にロンドンへ行ってきました!見たミュージカルの感想は別記事にする(つもりな)ので、この記事は旅行全体の記録です。

イギリスに行くのは今回で3回目。1回目はイギリスを周遊するパッケージツアーで、2回目と今回はロンドン滞在のみの一人旅です。

これぞロンドン!と思って撮った雨上がりのリバプールストリート駅

2024年のロンドン、円安を気にしなければめちゃくちゃ旅行しやすかったです。円安を気にしなければ(旅行中は1ポンド=186~188円)。

前回の渡英が8年前のため記憶がだいぶぼんやりしてますが、想定してたより清潔で安全で快適な環境で旅行することができました。
言語が英語なだけで、初めて訪れる国内の大都市を観光するのと利便性においてはほぼ変わらなかった気がする。帰国してから友達に話すプチトラブルネタがなくて困るぐらいには全てがスムーズでした、何もないに越したことはないですが!

準備編から書いていくので、日記部分を読みたい方は目次で飛んでください。

 

準備編

まず、寒くて日照時間が短い2月を旅行時期に選んだ理由について。

過去2回とも冬の旅行だったから他の季節と比較できないんですけど、冬のロンドンがとにかく大好きだからです!
寒さでピリッと引き締まった空気と曇天のロンドンって相性がすごく良いと思うんですよね。コートを着てマフラー巻いて、膨張した格好で出かけるのも好きだし、2月はオフシーズンで航空券とホテルが安いのもありがたい。
なので、ざっくり1月下旬~3月頭頃を目安に半年ほど前から諸々の準備を始めました。

旅行の目的

大きく3つ決めました。

  • 観劇

舞台のオタクなのでロンドン=ウエストエンドです。
1月下旬~3月頭に何が上演されてるかは、TodayTixやLondon Theatreを参照しました。この時期で絶対に見たかったのは「ジェイミー」と「トトロ」。「ジェイミー」は大好きなミュージカルなのでいつかは原語で見たかった!「トトロ」は賞を獲ったからっていうミーハー心と、3月でいったんクローズしてしまうのでマストでした。

  • ドラマと映画のロケ地を巡る

Twitterがなかったらこれは目的に入っていなかったと思います。イギリス旅行や海外ドラマのロケ地巡りの同人誌を出しているフォロイーがいて、その人の旅の楽しみ方に漠然と憧れていたところ、友達に勧められて見た「Good Omens」に見事にハマり、せっかくなので同作のロケ地を巡ることにしました。

「Good Omens」はロケ地情報がまとまったファン自作のGoogleマップが公開されているので、これを頼りに行けそうな場所を探しました。スポットがピン留めされてるだけでなく、何話のどのシーンだとか、撮影はセットで行われたけどこのエリアがモデルらしいだとか、細かい情報まで網羅されています。オタクの熱量は世界共通。

「赤と白とロイヤルブルー」、映画「レ・ミゼラブル」のロケ地にも行きました。

  • 古着を買う

古着が大好きなので、お気に入りの一着を日本に持ち帰りたかった!一般的な古着屋はもちろん、マーケットとチャリティショップにも足を運びました。

 

旅程の立て方

人がどうやって長期旅行のスケジュールを決めるのか気になるので、まずは自分が書く。完全に自己流ですが、以下のような手順で旅程を組みました。
情報は全てGoogleマップスプレッドシートにまとめて見やすく管理しました。

①時間的制限があるけど優先度の高い予定をリストアップ。

例えば月曜が休演日のミュージカル、土日限定開催の古着のマーケット、早くに売り切れてしまいそうなパン屋などを書き出します。

行きたいお店は、インスタ・YouTube・ブログで探しまくりました。イギリスはYMSがあるので日本人が発信してる情報も探しやすくてありがたいです。

 

②エリアが近くて同じ日にできそうなことを一日ごとにまとめる。

無計画に動くと移動時間が一日の大半を占めてしまうので、①で挙げた予定のうち近場でまとめて実行できそうなものを、同じ日にやる予定としてグルーピングします。

 

③どんなに細かいこと・一時的な思い付きでもいいから、やりたいことをひたすら書き出す。

例えば、ポストカードが欲しい・大きな本屋に行きたい・公園でサンドイッチが食べたい・マーケットで大きい塊のパンを買いたいなど。お土産リストもこの段階でどんどんメモしていきました。

 

④ ②で決めた大枠の予定に、エリアと体力を考慮して③の細かい予定を組み込んでいく。

こうしていくと、1日目はこのエリア、2日目はこのエリアという具合で、場所ごとに効率的に回る旅程が自然と出来上がる!時間が余ったらここも行く、最悪これは別日でOKなど、動かしてOKな予定も全部メモします。

パズルのように組み合わせると完全フリーの日が1日できたので、その日に何をするかは現地で考えることにして、旅程は完成しました。

 

予算

ざっくり航空券20万円+ホテル10万円+その他20万円の、6泊8日で50万円が目安でした。

 

航空券

ロストバゲージが怖すぎて直行便一択で探しました。色々調べているうちに神便と噂のJL41便の存在を知り、スカイスキャナーで価格を見比べつつ押さえました。

www.jal.co.jp

深夜出発→早朝到着で初日の時間を有効に使えるだけでなく、機内食が一回少ない代わりにJALのラウンジで食事をとれるって、むしろメリットしかありませんけど大丈夫!?もうこの便しか使いたくないと思うぐらい、私には合ってました。

 

ホテル

ホテル選びが一番悩んだかもしれません。エアビーも検討しましたが、1人利用だと割高かつ滞在エリアが微妙に不便で、ホテルに絞って探しました。

素泊まり6泊で10~13万円、バスタブ付き、虫の口コミがないのは必須。ミュージカルの夜公演観劇後は23時近くになるので、細い裏通りを歩かなくて済むかなど、周辺環境も考慮して選びました。Googleマップやホテル予約サイト、SNSなど掲載場所が違うと口コミの率直さも変わるので色々読んだし、日本語以外の言語の口コミも参考にしました。

 

スーツケース・eSIMなど

自分のスーツケースを持っていないのでレンタルしました。予定に合わせてサイズを変えられるだけでなく、返却日を帰国翌日にすれば嫌でも荷解きせざるを得なくなり、片付けが早く済む(力技)というのはレンタルならではだと思います。
サムソナイトのシーライト94Lを9日間レンタルして6000円程度でした。

www.ry-rental.com

 

ネット環境はこれまで物理SIMしか使ったことなかったんですが、今回初めてeSIMにしてみました。大手のサービスでも国と地域によって繋がりやすさに差があるみたいな話を読んだので、ロンドンの口コミを見てUbigiを選びました。3GBか10GBかで迷って、500円しか変わらないので1500円の30日間10GBを選択。気にせずガンガン使って、帰国時に使用量を確認したら7GBぐらいでした。

あとはスリ対策で首からかけるスマホストラップと、タッチ決済ができるVISAのクレカを用意してあらかたの準備を終えました。タッチ決済クレカはロンドン旅行では必須だと思います。

 

1日目:出発、ケンジントン

深夜1時発の便で、ラウンジ使用が22時からだったので21時頃に羽田空港に到着。チェックインや保安検査を終えて、JALのラウンジで夜ご飯を食べました。一度間違えてファーストクラスのラウンジに入りかけて、出国前から大恥をかきました。
サラダバーの豆が大好きなのでたくさん盛る。写真にはないですがカレーもおいしかった!

機内ではアイマスクとイヤホンを着けて、できる限り寝て過ごしました。

バッグインバッグに歯ブラシやスキンケア類など小まめに使うものを詰め、座席前のポケットにごそっと突っ込むスタイルをSNSで見かけて真似したんですけど、革命的に便利でした。
あと、化粧水の染み込んだ拭き取りパッドは小さいビニール袋に入れれば1枚から持ち込めるし、顔がさっぱりするので機内スキンケアにおすすめです。有用そうな情報はこれぐらいしか提供できない。

ヒースロー空港に7時前に到着。まだ日の出直後ぐらいだったけど曇っていてい、外は暗かったです。eSIMが無事に繋がってひと安心。設定も簡単で、便利すぎて感動しました。

ヒースロー空港からロンドン市内まではCoachと呼ばれる高速バスを使うつもりだったので、乗り場まで行って券売機でチケットを購入しました。事前予約もできたんですが、飛行機が遅れる可能性を考慮して着いてから買いました。乗り場の待ち合い室で40分ほど待機。こういう時間さえも楽しい。

空港からロンドン市内への移動手段は、エリザベスラインもできたし地下鉄が一般的だと思います。私は旅行準備中に読んでいたロンドンに関する本に書いてあった「地下鉄移動は便利だけど、バスだと郊外からロンドン市内へ向けて景色の移り変わりが見れて楽しいよ」との教えに素直に従いました。

時間に余裕がある人にはバス移動おすすめしたいです!教会を中心に住宅街が広がってるのかなーとか、ここから急に現代的な建物が増えたなーとか考えつつ、GPSで現在地と道沿いの建物を見ながら窓の外を眺めていたらあっという間でした。バスを降りるときに運転手さんが手を振ってくれて嬉しかった。

バス停から10分ほど歩いてホテルに到着。スーツケースを預けて街へ繰り出します。

あまりお腹が空いてなかったので、まずは行きたかったホットチョコレートのお店へ。

チョコレートの割合を細かく選べて、私はDarkの54%にしました。濃厚でスパイスが利いてておいしかった。

窓から外をぼんやり眺めながらホットチョコレートを飲んで、到着後から上がりっぱなしだったテンションを落ち着かせました。
自分のお金で外国に来て、自分の口でコミュニケーションして欲しい物を買っている今の状況にやっと実感が湧いてきて、充実感と幸せがじわじわーっと広がりました。来て良かったなあ。

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近くのBootsや本屋を眺めつつ、V&A博物館へ向かいます。

「赤と白とロイヤルブルー」でヘンリーとアレックスが宮殿から抜け出して深夜の博物館で踊る名場面のロケ地がV&A博物館なんですよね。ドラマと同じ画角で写真を撮っていたら同じことやってる観光客を発見。みんな考えることは同じなんだなとほっこりしました。

他の展示もゆっくり回って楽しみました。特にインドのボタニカル柄の刺繍やプリントの展示が可愛くときめきました。

このドレスの柄、プリントじゃなくて刺繍なんですよね。ものすごい仕事…。

館内には観光客以外にも、スケッチしている人やベンチに座って友達との時間を楽しんでいる人、中庭で走り回る子供など、自由な過ごし方をしている人が多く、すごく居心地が良かったです。芸術文化が日常に近いところにあるんだなー。

チェックインの時間が近づいてきたので、途中でチャリティショップやベーグル屋に寄りながらバスでホテルへ戻ります。

ベーグル屋のデリコーナーにあったファラフェルがおいしそうで思わず手が伸びました。ロンドンはファラフェルやフムスが簡単に手に入って羨ましい!

チェックインをして、部屋で簡単な食事と着替え、仮眠を済ませて観光&ソワレ観劇へ。

ライトアップされたNational Galleryが綺麗!
すぐ近くにある、「Good Omens」1話でクロウリーが駐禁を取られた例の場所にも行きました。実際に駐禁エリアなのかは分かりませんが、ここに車を止めたら相当目立つだろうなって場所で笑いました。

1本目の観劇は「SIX」。ブチ上げ系を見て景気よく旅をスタートさせたくて選びました。

最高~!な気分になりつつ、23時近いので周囲を警戒しながらササッと駅へ。電車の中は家族連れも多く、危ない空気は皆無でやや拍子抜けしましたが、気を抜かず移動して無事にホテルへ到着。

一人海外旅行の1日目の夜って、日本で生活する一日と情報量が違いすぎて3日分ぐらいに感じます。自分自身の生きる力で今日を乗り切った充実感に浸りました。

 

2日目:ノッティングヒル

朝食にM&Sのホットクロスバンズといちご、ヨーグルトを食べました。バレンタインが終わってスーパーには早くもイースター商品が並んでいて、ホットクロスバンズが手軽に買えて嬉しいです。スパイスとレーズン入りのパンなんて一年中食べたい。
いちごは一粒が大きく、ちゃんと酸味もあっておいしかったです。果物は円換算しても日本より安い気がします。

午前中はPortobello Marketへ行きました。古着の出店が多いのが金曜日とのことで、この日の優先度高の予定でした。

ホテルから徒歩で行けそうな距離だったので、公園の脇を通って歩いて向かいました。早朝まで降っていた雨のおかげで草木や土の匂いが立ち込めていて、全身で自然を感じました。ノッティングヒルのカラフルな家々も堪能、映える!

写ルンですで撮りました

途中、ノッティングヒルにある有名なCheeky Sconeに寄り道。プレーンとアップルクランブルのスコーンを購入しました。握りこぶしと同じ大きさで思わず比較。ホロッホロ系で好みとは違うタイプのスコーンだったけどおいしかったです。

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ただ本来の目的だったマーケットは期待してた内容じゃなかった…!可愛いなと思った商品が少し歩いた先の別のお店でも売られているパターンが多くて、購買意欲が失せました。

さらに奥のPortobello Green Marketは掘り出し物がありそうな空気感だったけど、家のクローゼットからそのまま出してきたような状態の洋服が多かった(笑)。やっぱり日本はフリマでも古着のクオリティが高いんだなと思いました。ヴィンテージブローチは可愛いものもあったけど、決め手に欠けて見るだけになってしまった。

歩きすぎ&見すぎて疲れきってしまい、ランチはタイ料理の食べ放題へ。パプリカの辛い炒めものを何度もおかわりしてビタミンを補給。パッタイの麺がもちもちでおいしかったです。

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国内旅行は食事が適当でもなんとかなるけど、海外だと五感で感じるもの全てが刺激的で全方位にアンテナを張り巡らすから体力の消耗が早い気がします。しっかりご飯を食べないと本当に行き倒れる…。

この辺りから、ただ移動のために歩くのではなくて、街並みや建築の良さを意識して歩くようになりました。

こういうブルータリズム建築の悪の組織っぽさにときめきます。中に入ったら捕まって二度と外に出てこられなさそう。

夜は観劇2本目の「ジェイミー」へ!好きなセリフを原語で聞けて幸せでした。日本でも再演してくれないかなあ。

3日目:テムズ川のあっち側

インスタで見つけた行きたかったパン屋を目指し、朝からBorough Marketに行きました。土曜日で混みそうなので早い時間を狙ったつもりだったけど、すでに大混雑だった。
ムール貝のパエリアやいちごに液体状のチョコレートをだーっとかけたカップ、I'm donuts?的なドーナツなど、ロンドンのグルメ系SNSで見たことのあるあらゆる食べ物が集まってました。

お土産の紅茶とお皿、自分用に雑穀入りの大きな塊のパン、チョコレート入りのブリオッシュを購入。ブリオッシュつやつやです。

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塊のパンを買ったのは、現地のマーケットで買ったパンでサンドイッチを作るという野望のためです。パンを切る用のナイフと薄いまな板も日本から持参しました。やるぜやるぜ俺は!

 Borough Marketから徒歩で移動して、Flea Londonというヴィンテージマーケットへ向かいます。週末のみの開催でしたが、予定が合って行けて良かったです。規模は小さいけど好みのお店が多く、1店舗ずつじっくり回ることができました。

レザースカートを試着したくてお店の人に声をかけたら「試着室がないからトイレで着替えて!」と言われました。靴を片足ずつ脱ぎながらスカートを穿いたので、バランスゲームをしている緊張感でした(笑)。後日Shoreditchの古着屋に行って気づくけど、海外だと試着室でも靴は基本的に脱がないんですね…!

フリーマーケットを2つ巡って、日本とロンドンで人気のアイテムが違うんだろうなっていうのが分かって面白かったです。ロンドンはサッカーのユニフォームだったりモータースポーツのジャケットだったり、スポーツ系のアイテムが種類豊富に並んでいました。あととにかくレザーアイテムが多い。

電車に乗って、次の目的地のNational Theatre向かいます。
英国演劇の総本山や~!外観が見えるだけでテンション爆上がりでした。これも有名なブルータリズム建築だそうです。

簡単な手荷物検査を受けて中へ入ります。開演前のタイミングだったせいか、やや混んでいてカフェはほぼ満席でした。

3階のベンチに座ってぼーっと休憩していたら、近くのフリースペースで学生が芝居の稽古を始めてびっくりしました。日本だと外部の施設でやるならちゃんと借りないとダメですよね?国立劇場が稽古場の選択肢に入ってくる強さよ…。
立ち位置的には初台の新国立劇場と同じだと思うんですが、National Theatreは劇場という役割以上に地域と人に根付いてるんだなと思いました。

ョップでは「ジェイミー」の戯曲を買いました。上演作品の戯曲はもちろん、演技の教則法のような俳優向けの本も多く、見ているだけで楽しかったです。

夕方頃に「Good Omens」のアジラフェルの本屋があるエリアだと言われているSohoへ行きました。Soho、明らかに治安が微妙っていうか…歌舞伎町的な猥雑さがあって面白かったです。石やレンガでできた歌舞伎町って感じ。

歩き疲れたので有名なジェラート屋さんで休憩。ピスタチオとヘーゼルナッツチョコレートのダブル。生き返りました。

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4日目:グリニッジ

昨日Borough Marketで買ったパンで朝食にサンドイッチを作りました。やった~~これがやりたかった!

ハムやグリーンリーフはホテル近くのtescoで買いました。このペラペラのスモークチキンハムが期待以上においしかった。チーズを入れるつもりだったんですが、数日で使い切れる量のものがなかったので、塩けのあるものとして小さいパックのフムスをジャムのように塗りました。本当においしかった。幸せです。

お腹を満たし、この日はちょっと遠出してグリニッジへ向かいます。

まずは、映画「レ・ミゼラブル」のラマルク将軍の葬列シーンのロケ地になっているOld Royal Naval Collegeへ。

馬車の上に立つアーロン・トヴェイトの姿が見える…!「民衆の歌」が聴こえる…!

日曜日だったんですが、私以外に人がほぼいなくてこんな無人の写真が撮り放題でした。

この敷地内は入場無料ですが、Painted Hallというドーム状の屋根を持つ建物の中は有料です。私は事前にweb予約して、当日カウンターでバーコードを見せて入場しました。

上の写真にあるような外観だけで満足しそうになっちゃうんですが、Painted Hallこそものすごいので、絶対に行ってほしい。

ただただ圧倒されて、目の前の絵を人間が描いたというのが信じられなくて、天井を見ているだけで永遠にこの場にいられそうでした。

無料で借りられる音声ガイドが場所の歴史から描き込まれているモチーフまで細かく解説してくれたので、「すごい」で終わらない楽しみ方ができました。絵の中のウィリアム3世が、勝利の象徴としてフランス王ルイ14世を踏みつけているという話には笑いました。足グセの悪い王様だな。

解説員として場内にいたスタッフさんが、私が日本から来たと知ったらお寺が好きで京都に行ったことあるよーと話してくれました。私に京都に関する素養がなくてその話は盛り上がらなかった、無念。

ホールを後にして、グリニッジ公園を突っ切って丘の上まで登りました。坂道の傾斜がえぐいので歩きやすい靴で行ってください。景色が素晴らしかった!

テムズ川を渡ってCanary Wharfへ移動します。

人がいなくて道や建物の大きさを堪能できる休日のオフィス街を歩くのが好きなので、Canary Wharfにもそれを期待して行ったんですが、ショッピングモールがあるせいか日曜日でも混雑していました。お台場のような土地だった。

連日の疲れが溜まってきてたので、この日は早めにホテルへ戻りました。

 

5日目:ショーディッチ①

この日はShoreditchで古着をとことん探す。春服があまり好きじゃなくて毎年着るものがないと嘆いてるので、「春が楽しみになる服を買う」を目標にしました。

インテリア小物も見たかったので、まずは現地の人がおすすめしていたOliverBonasとAnthropologieへ。

どちらも洗練されてるけど個性があって、好きな雰囲気のお店でした。OliverBonasの方が若干ポップかな。母からお土産にリクエストされてたマグカップをここで購入。

買い物欲が高まってきた〜!ので超有名な古着屋のAKITAへ行こうとしたら、そのやや手前にあるQuatrièmeという古着屋もセンスが良さそうなので寄り道。
ここ、かなり好きでした!一目惚れしたテニスウェアっぽいスウェットと、コーデュロイのワークジャケットを買いました。コーデュロイ大好き。

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AKITAは日本の古着屋と同じにおいを感じました。(古着買う人にしか伝わらないだろうけど)BIGTIMEをイメージしてもらえるといいと思います。サイズもパンツなら25インチから品揃え豊富で、誰が行っても楽しめそうでした。
ここでパンツの試着をしようとしたら、周りの外国人たちが靴を履いたまま試着室に入っててビビる。
地下と地上1階のお店なんだけど平面にもやたらと広くて、真面目に見たら2時間経ってしまった。

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2店舗とも、円換算しても高すぎない価格帯でありがたかったです。購入品はスウェット8000円、ジャケット1万円、パンツ1万1000円の3着。

そのまま近くのBrick Lane Vintage Marketにも行きました。こっちは海外スナップ的なスタイルが好きな人は楽しいと思う。ラフォーレ原宿の地下エリアに入ったときのような、ちょっとコアな空気感にワクワクしました。あまりときめく品はなかったですが、観光気分でぶらぶらするのは楽しかった。

お昼もだいぶ過ぎてしまったので、Old Spitalfields Marketへ移動して、現地の日本人がおすすめしていたお店でフィッシュアンドチップスを食べました。買い物で減った体力ゲージを回復させる。衣サクサク身がふわふわでおいしい!ポテトは食べきれずに持ち帰りました。

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この日、夜公演に何を見るか決めてなかったんですよね。「ハミルトン」か「キャバレー」で迷ってて、「キャバレー」のLotteryに外れまくりテーブル席のような特別席以外が完売してしまったので、tktsの窓口で「ハミルトン」の当日券を買いました。

パディントン先生にも挨拶。

「ハミルトン」はサントラを聴きまくっていたので、生オケで名曲たちを聴けるだけで感動…!アーロン・バーからハミルトンへの嫉妬や愛憎が重めで、そういう話だと思っていなかったので情緒がぐちゃぐちゃになりました。演出もめちゃくちゃカッコよかった。そりゃ賞獲りますね…。

 

6日目:ショーディッチ②

やりたいことを一日でやり尽くせなかったので、再びShoreditchへ。2日間に分けて正解でした。

ホワイトチャペル駅で降りて、予約していた猫カフェへ徒歩で向かいます。駅周辺は違う国に来たかと思うほどイスラムワールドでびっくりした。香りも人の服装も売っている物も、昨日まで見ていたロンドンとは全く違う!パレスチナの国旗を掲げたお店や家も多くありました。

目的地の猫カフェは8年前にも訪れたお店です。当時はロンドン初の猫カフェだったけど、今は他にもいくつかあるみたい。そちらに行こうか迷ったけど、環境や雰囲気が信頼できる方が良かったので同じお店にしました。

朝イチの枠をオンラインで予約していたので、開店と同時に入りました。8年前に会った猫ちゃんたちがまだ元気にしていて嬉しかったです。

黒い毛並みとサビの混ざり方が美しい猫ちゃん。8年越しに会えました

ここは猫が本当に自由気ままに生きていて、猫ファーストな感じがして良い。店員さんがフレンドリーで、この子はこのおもちゃが好きだよとか、ここを撫でられるのが好きだよとかたくさん教えてくれます。

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猫カフェでは紅茶だけ注文して、お腹をすかせたまま超有名なベーグル屋のBrick Lane Beigel Bakeへ向かいます。前回の旅行でもお店の前までは行ったんですけど、出入り口付近に元気すぎるセントバーナード的な犬がいて怖くて入れなかったので、絶対リベンジしたかった。

注文のルールが分からず緊張してたんですが、とりあえず列に並んで他のお客さんをよく観察していればいけます。

ショーケースの前まで進むと「Next!」と店員さんに言われるので、注文したいものを伝えます。看板商品の「salt and beef!」と叫んで、並びながら決済を済ませる。商品受け取り時に「pickles and mustard?」と聞かれるので、「Yes, please!」と叫ぶとピクルスとマスタードを入れてサンドを作ってくれます。出来立てを受け取って完了です。

店内がザワザワしてるので、叫ぶぐらいの声のボリュームがちょうど良かったです。サンドを包む紙にマスタードがべったりついてたので(笑)、手や服を汚さないように気をつけて。

すぐに食べたかったので、近くの公園のベンチに座ってかぶりつきました。
これがめ~~ちゃめちゃおいしかった!お肉の塩加減がちょうどよく、見た目から想像つかないほど柔らかかったです。ベーグルもむぎゅっとした食感だけど不思議と歯切れが良い。ただマスタードが異常に辛くて涙が止まらず困りました。紙でこそげ落としながらなんとか完食しました。

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夜の観劇まで時間があるので、HoxtonのMuseum of the Homeへ。時間つぶし程度の気持ちだったんですが、期待の何百倍も良かった!

1階は主にイギリスの住環境の変遷を実際の家具やリビングの再現と共にたどる展示。インテリアの流行りや家族のあり方の変化もよく分かりました。


(どの年代の展示だか忘れてしまいましたが)キャンドル台の裏に鏡を置くことで、光を写して実際の部屋よりも明るく、広く見せるという工夫が面白かったです。

家事道具の発展やメイドや主婦がこなす仕事内容の変化を通じたフェミニズム視点での問いかけもあって、当時の女性たちに思いを馳せました。

地下には、実際にイギリスで暮らす様々な人に「homeとは何か?」を問いかけたパネルの展示がありました。例えば、家賃が上昇してもう長くは住めなさそうだと話す人、何世代も受け継がれた家に住み続けている人、住む場所にこだわらず引っ越しを繰り返す人など…価値観も状況も様々。

パネルの写真はほぼ撮ってないんですけど、入口近くにあった「homeとhouseは違う」という説明は印象に残っています。公式サイトの「Home is more than a house. 」の文言も、直感的に分かる気がする。

自分が今homeだと感じる場所はどこなのか?一人暮らしの賃貸か、実家か?暮らしとは関係なく思い出のある場所かも?みたいなことをぐるぐる考えました。フラットな気持ちでhomeについて考えられたのは、日本から離れてイギリスに来たからこそだろうなあ。

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この日最後の予定はソワレ観劇の「トトロ」。劇場のあるBarbican Centreはロンドン屈指のブルータリズム建築です。

早めに着いたので中を練り歩きたかったんですが、急に疲労を感じてきたのでカフェでレモンケーキと紅茶を注文して読書タイムに。集中とぼんやりを繰り返す贅沢な時間を過ごしました。

建物の外観だけでなく、劇場のロビーや中階段も本当にカッコよくて好きな世界観で、最高でした。

直線的な無骨さと、照明や客席の色の温かみ、所々に使われた木の柔らかさとのバランスがたまらない…。客席にいるだけでこんなにテンション上がる劇場は他にないです。

もちろん作品の「トトロ」も素晴らしく、余韻に浸りながらホテルへ戻りました。


7日目:バタシー、帰国

最終日になってしまった。後回しにしていたお土産を買うために、ホテル徒歩圏内のBootsとWaitroseで午前中からたくさん買い物をしました。もうしばらく来れないと思うと、今買っとけ!精神が加速し財布の紐が緩みます。

チェックアウトして、バスでロンドンの街並みを眺めながらバタシー発電所へ。出発前は優先度が低かったけれど、ロンドンに来ていろいろな建物を見る中でやっぱり行きたい気持ちが強くなり、最終日に調整しました。

象徴的な2本の煙突は、発電所として使われていた頃からあったものらしいです。
中は普通のショッピングモールだけど、煉瓦造りの壁や鉄骨を残した内装がとても良かった。

ついでに、Battersea Parkの中にある「Good Omens」のロケ地へ。

シーズン1の3話で天使と悪魔が喧嘩してた場所です。道が十字に交差する不思議な空間で、なんだか静かで神聖な気持ちになりました。こんなところで喧嘩するなよ。

テムズ川と橋と開発中の建物たちとバタシー発電所

ホテルに戻り、預けていたスーツケースを引き取ってピカデリーラインでのろのろとヒースロー空港へ。いよいよ旅が終わる…。

チェックインや保安所をトラブルなく通り抜けると、どっと疲れが押し寄せてきました。そういえば前回の旅行で余った現金を持ってきていたのを思い出し、空港で使ってしまおうと思ったら「これは昔のコインだから使えないよ」と言われる。調べたら硬貨のデザインが2017年頃に変わったらしい。結局、現金は1ペンスも使いませんでした。

 

以上が2024年2月ロンドン一人旅の記録です。旅行しながら次来たときにやりたいことがいくつか見つかったので、次の海外も行き先はロンドンになりそうです。

旅行のことでご質問などあればマシュマロからどうぞ。

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