from heart beat

観たものについて書いたり書かなかったりします。

Bリーグ観戦1年目を振り返る

2023年は私にとって「Bリーグ観戦1年目」でした。

これまで通り元気に観劇オタクをやりつつ、1年で8試合現地観戦しました(日本代表戦含む)。配信で見た試合数はこれより少ないから、現場至上主義は演劇でもスポーツでも変わらないらしい。

せっかくだし、1年目の思い出や感じたことを振り返ってみました。新規目線でおかしなことを言ってるかもしれませんが、ご容赦ください。

 

 

そもそもBリーグを現地で見たいと思ったきっかけ

これはずばり、映画「THE FIRST SLAM DUNK」です。スラダンやばい!最高!バスケってやっぱり面白いなあ→プロリーグあるじゃん見に行こ!という単純すぎる流れでした。

〈映画初見からの時系列〉

2022年12月26日 「THE FIRST SLAM DUNK」を見る

2022年12月31日 「THE FIRST SLAM DUNK」を見る(2回目)

2023年1月16日 2月開催のBリーグのチケットを買う

見に行こ!の勢いで見に行ける場所で試合が行われているし、特別なコツがなくてもチケットは一般発売で普通に買えたし、価格も数千円~と手を出しやすく、敷居の低さも新規には魅力的でした。

あと個人的なところでは、学生時代バスケ部だったので、そもそも競技に親しみを持っていたのも大きい。プロリーグの存在は以前から知ってたんですけど、映画を見なかったら現地観戦するまでには至ってなかったと思う。ありがとうスラムダンク

 

観戦記録

2/4(土)アルバルク東京vs大阪エヴェッサ @代々木第一体育館

観戦デビューは普段よく行くエリアから一番近い会場を選びました。チームについては何も分からないので、対戦カードは気にしなかった。
公式の席種解説を読んで取ったアリーナベンチ反対側の席は、期待以上に選手と近く、迫力がものすごかった!応援のコールの音楽が試合中ずっと流れてて、私が想像してたスポーツ観戦のイメージが裏切られて楽しかったです。これはまだ声出し応援禁止だったのも大きいかな。

一番印象に残ってるのは、生で見る3Pシュートのカッコよさ。打った選手を真後ろから見られる位置だと、ボールの軌道とゴールが同一線上に綺麗に揃う瞬間があるんだけど、これが鳥肌ものだった。空間を切り裂いてゴールに真っすぐ向かうボールの弾道のカッコよさ、リングに触れずにシュートが決まった瞬間の爆発感は他では味わえないと思う。

そしてこの日、私が出会ってしまったのが、アルバルク東京のマスコットキャラクターのルーク。

www.alvark-tokyo.jp

 

かわいすぎる!!!!!!!!!!

ひと目見てメロメロになりました。モフモフの体毛に眠そうな目、踊ったり走ったりしづらそうな2頭身のずんぐりしたフォルム、指が分かれていないからピースサインやハートマークを作れないミトン型の手。利便性を追求しない、無駄や余白を大切にしたキャラクターデザインに心を掴まれました。最高。見た目に反して意外と素早く動けたり、かと思えば会場の椅子に沈み込むように座ってたり、うつらうつらしてたり…動きや仕草も天才的にかわいかった。連れて帰りたかった。

これは試合開始前に短い腕で大太鼓を必死に叩き、会場を盛り上げるルーク。

秋には、渋谷で開催されたルークのポップアップショップのイベントでツーショットを撮ってもらいました。隣に立ってくれたルークは大玉転がしの玉が2つ縦に重なったようなサイズ感で、でっかくて最高でした。

 

4/8(土)川崎ブレイブサンダースvs横浜ビー・コルセアーズ @川崎市とどろきアリーナ

4Q残り1分43秒で3点差になったとき

やっぱり今見るべき選手は河村勇輝でしょ!しかも神奈川ダービーはさらに盛り上がりそう!ってことで選んだ試合でしたが、当日行くと河村選手がいない…。

見間違いかなと混乱していたら、後ろのお客さんの会話が聞こえてきて、直前の試合で河村選手が負傷したことをここで知る。演劇界にも体調不良の降板はあるし、コロナ禍の当日中止に当たったりもしたけど、スポーツだとケガで突然離脱になるというのはカルチャーショックでした(後から知ったけど、試合に出ないだけでチームには帯同していたらしい)。ショックと言えば、フリースロー時の両チームブースターのブーイングの激しさには驚いた(笑)。

この日は川崎の藤井祐眞選手とニック・ファジーカス選手のインパクトが強烈だった。藤井選手は一人だけ終始元気、なんなら試合終盤になればなるほど元気。鬼気迫るディフェンスと野生本能的なボールへの執着、ここぞというタイミングで決める3Pシュートもあり、敵に回したくない選手だ~と素人ながらに思った。
ニック選手はマジでどこからシュートを打っても入る。3Pラインより内側でペイントエリアより外の、絶妙な位置からのシュートでもじゃんじゃん入
れるから意味が分からなかったです…プロってすごい…。

 

5/13(土)チャンピオンシップ準々決勝
川崎ブレイブサンダースvs横浜ビー・コルセアーズ @川崎市とどろきアリーナ

河村選手が見たくて神奈川ダービーリベンジ。まだ本調子じゃなくプレー時間は限られていたけれど、やっと見れて嬉しかった!河村選手が出てない時間帯にキャプテンの森井健太選手がめちゃくちゃ気合の入ったプレーを見せていて、そのガッツにときめきました

この日も藤井選手とニック選手は怖かったです。

審判の人、立ち姿が凛々しくてカッコいいな、オーラあるなと思っていたら加藤誉樹さんだったことを後で知る。

 

8/19(土)国際強化試合
男子日本代表vs男子スロベニア代表 @有明アリーナ

スロベニアのルカ・ドンチッチという選手がNBAのスーパースターらしい、というのだけ調べて知っていたんだけど、ウォーミングアップでドンチッチ選手がコートに入ってきたときの会場の爆沸きっぷりがすごかった。河村選手とドンチッチ選手のマッチアップに会場が騒然としたのも楽しかったな~。

 

10/21(土)横浜ビー・コルセアーズvs琉球ゴールデンキングス @横浜国際プール

ワールドカップが終わり、オフ中の移籍情報をわけが分からないなりに追いかけ、やっとシーズン開幕!ビーコルのホーム開幕戦に行きました。

河村選手がボールを持ったとき、会場の期待感がグッと高まるのを肌で体感して興奮した。何かやってくれる、次は何を見せてくれるんだろうって観客をワクワクさせてくれるのが河村勇輝なんだと思った。この日のビーコルは出場した選手みんなが活躍していて、見てて楽しかったです。

一番印象に残ったのは、バスケットライブの配信で見て以来気になっていたジェロード・ユトフ選手!小顔・脚長・腕長の骨格にモヒカンヘアも相まって、エヴァ初号機のフォルムと重ねてしまう…。実物は本当にエヴァ並みのスタイルの良さだし、淡々と3Pシュートを量産してて凄みがありました。かと思えば勝利インタビューの待機中、配信に映らないところで一人豪快に寝転がってストレッチをしていて、クールなイメージが崩れ去った(笑)。

アリーナについても少し。コート頭上に吊る4面モニターがない会場は初めてだったんだけど、あれがないと試合展開がパッと把握しづらいし見栄えしないなと…。本来はプールだからか照明の演出も最低限で、選手入場やスタメン紹介で盛り上がりきれなかった。来年完成する横浜BUNTAIに期待したいです。

それから、アリーナ入り口側の大型モニターに映し出される、相手チームのフリースローを妨害する映像のぶっ飛んだセンスにも触れなくてはいけない。

なんだこれ???

このクマ以外にも、妙にリアルな二足歩行のシカがダンスを踊っていたり、ウサギが高速で草を食べていたり…シュールすぎる!!川崎もアルバルクも映像は全部カッコいい感じで統一されていたから、古のニコニコ動画みたいなビーコルのセンスはどこから来ているんでしょうか。

 

11/5(日)群馬クレインサンダーズvs名古屋ダイヤモンドドルフィンズ @オープンハウスアリーナ太田

youtu.be

YouTubeでたまたま見たこの動画に衝撃を受け、どうしてもこの空間を体感したくて群馬まで片道約3時間かけて行ってきました。オプアリはすごい。

〈オプアリのすごいところ〉

  • 5000キャパのサイズ感がバスケ観戦にちょうど良く、最後列でも一体感がある
  • 客席が暗くコートだけが明るいので、コートがステージみたいでカッコいい
  • レーザービームと炎と音のドドド派手演出
  • 試合開始45分前頃に行った限りではトイレの混在なし
  • 試合後は出口が追加で開放されるから比較的スムーズに外に出られる
  • 太田駅~アリーナの無料シャトルバスがある
  • 種類豊富な会場外のキッチンカー(シュウマイおいしかった)

群馬が3Pシュートとダンクを決めるとゴール裏から炎が上がる」のはバスケットライブの配信で知っていたけど、これ現地で見ると発想のヤバさが一層よく分かるから一度行って見てほしい。そこそんなに燃やしていいんだ?っていう…。スタンド席でも熱を感じたからコート上の選手たちも絶対熱いと思う

最初に貼った動画「Winners Anthem」を立ち上がって歌う4Qのオフィシャルタイムアウトは最高~~にブチ上がった!!身長の3倍はありそうな巨大フラッグを掲げてアリーナを走り回るチアの男性に度肝を抜かれました。

とどろきも代々木第一も楽しかったけどオプアリは別格で、スポーツ観戦の概念が覆される体験でした。
コートへ続くドアを開けた瞬間、思わず「おお…!」と声が漏れたんですよね。「この会場だから行きたいな」と思わせるアリーナ、人を呼べる会場ってこういうのを言うんだろうな。気持ちが上がらない劇場ばかり新設される演劇界と比べて、ここがホームアリーナだったらさぞ誇らしいだろうと思わずにはいられなかったです。

試合内容は、ファウル絡みで選手同士がヒートアップする時間があり、退場になった群馬の選手がロッカールームへ帰ってしまったりして、そこで私も気持ちが萎えてしまったのは残念だった。真剣勝負だからとか以前に、身長2m近い選手がごろごろいる中で睨み合ったり肩を押したりするほど険悪な雰囲気になると恐怖を感じる。

冷めた気持ちになりつつ、最終的に名古屋ダイヤモンドドルフィンズをかなり好きになって帰ってきました。ハードなディフェンス→速い攻撃のバスケが一番好きかも!

 

12/17(日)横浜ビー・コルセアーズvs名古屋ダイヤモンドドルフィンズ @横浜国際プール

名古屋の試合が見たくて取ったチケットだけど、ここ最近ビーコルの調子が右肩上がりで見てて楽しい試合をしてくれるようになってきていて、この日は名古屋6:ビーコル4ぐらいの気持ちの掛け方で臨みました。ただ残念なことに、現地で見たかった名古屋の齋藤拓実選手が脳しんとうにより欠場だった、お大事に…。

試合は4Q10秒きったところで名古屋が追いつく超劇的な展開で延長戦に。杉浦佑成選手とユトフ選手の3Pの確率がえぐくて恐怖だったし、普段は頼もしい森井選手のディフェンスも、いざ敵になると本当に嫌な存在だった。
最終的には83vs80でビーコルが勝利。
現地で見てるとずーっと名古屋が押されてる感覚だったけど、帰宅してからバスケットライブの映像を見るとそうでもなかったんですよね。不思議だ。

これは現地に行き始めた頃から言ってるんだけど、バスライの実況を現地でも聞けるイヤホンガイドが欲しい。起きてることを理解しながら現地の雰囲気を楽しみたい。

以下は愚痴になるので読みたくない人は読み飛ばしてほしいんですけど、この日は席運が良くなかった…。隣の観客が爆音で応援&ヤジを飛ばす人で、しんどい気持ちがだいぶ強かったです。
Bリーグのブースターとして、スポーツチームのファンとしてこういう熱量の人が大切なのは分かる。熱心なファンが多いエリアの席だと分かっててチケットを買ったのは自分だし。ただ、顔スレスレで振られるクラップや、不満を発散するために何度も踏み鳴らす床の揺れだとか、こっちの環境に不快な要素が食い込んでくるのがキツかった
。遠めのスタンド席でゆるく見るのが私には向いてるんだと思う。

 

12/29(金)川崎ブレイブサンダースvs名古屋ダイヤモンドドルフィンズ @川崎市とどろきアリーナ

やっとエンド側の席に初めて入れた~ずっと来たかったから嬉しい!ディフェンスの気迫と体のぶつかり合いが、コートサイドから見たときとは比べ物にならないぐらい剥き出しで伝わってきて圧倒されました。見づらいシーンも多いけど、コート内の選手との一体感がこれまで入ったどの席よりも抜群で、無理なく声を出して応援できた。「応援しなきゃ」って義務感ではなく、自然と声を出したくなる席でした。

この日のゲーム内容は色々ありすぎて、ハラハラして心臓が痛かった。名古屋は試合に出られない選手がただでさえ多いのに、顔から流血したり(すぐ止血して復帰してくれたけど)、足がつってケアしながら出場してたり…。一日も早くチームが万全な状態でプレーできますように。

そんな苦しい状況の中、満身創痍でも流れがなかなか来なくても、声を掛け合って自分たちのやるべきことに立ち向かう選手たちが普段より一層カッコよく見えた。生き様を感じました。

とどろきアリーナへ行くのは久しぶりだったけど、3回目ともなればグーグルマップとにらめっこせずたどり着けた。自分にとって「身近な場所」になっている気がして嬉しい。

川崎のこれ、どことなくハイローっぽさがある

それに演出がめちゃめちゃパワーアップしてませんか?昨シーズンよりも炎の特効が増えた気がする。あと、チアも新曲ができていたような。雷型のバルーンを持って踊る曲が特に好きだった!
チアもチームによって個性がありますよね。例えば、ビーコルはレディでクールビューティー、群馬はストリートなカッコよさ、川崎はキュートな親しみやすさって感じかな。しばらくベンチ向かい側に入ってなくてチアを存分に楽しめてないから、次どこかの試合に行くときはそっちの席で見たいな。

 

以上、今年の8試合を振り返りました。
初めて代々木で試合を見た頃と比べると、好きなチームができたし、自分なりの楽しみ方がだいぶ分かってきたと思う。

毎週2~3試合×2時間の試合が行われて、バスケットライブにアーカイブが上がって、チケ発がこまめにあって、新規グッズがどんどん出て…まともに追うと大変な世界だなというのもよく分かりました。ていうか「現地で何かを見る」ことが主軸になる趣味でラクして網羅的に追えるものなんてない。

観劇オタクとバランスを取りつつ、これからもマイペースに楽しんでいきたいです。とりあえずドルフィンズアリーナに行くことを来年の目標にする!

「千と千尋」「テニミュ4th六角」感想

今年の夏に見た2作品の感想です。ちゃんと文章にして残したい気持ちはずっとあったんだけど、書いては寝かせを繰り返していたら冬になってしまった。

 

舞台「千と千尋の神隠し」@御園座

正直「千と千尋」で遠征することになるとは思ってなかった…。去年、帝国劇場で初演を見て、普通に面白いし良かったけどリピートするほどじゃないかなと思っていたのにこのザマ。「エリザベート」のトートダンサーで好きになった山野光くんがカオナシ役兼スウィングで出演するって聞いたら行く以外の選択肢がなかった。

カオナシ役、小㞍健太・森山開次からの山野光の衝撃といったら…ねえ!?小㞍さんといえばトートダンサーの振付かつロミジュリの死(&振付)だし、森山さんは「ダンス・オブ・ヴァンパイア」のヴァンパイアダンサーで、ダンスに疎い私でも知っているお二人。そんな人たちと山野くんがトリプルキャストで、情報解禁からずーっと楽しみにしてました。

が、台風7号上陸とスケジュールが丸かぶりになり…。当日御園座までたどり着けるのか、行けたとしても無事に帰ってこられるのか、天気予報と公演サイトとスマートEXの払い戻しページを行き来しながら不安な気持ちで見守り…結果、なんとかなりました。ありがとうJR東海。でも翌日は計画運休で大混乱だったので、今回は本当に運が良かったです。

山野くんのカオナシは素晴らしかった!セリフは大体「あ……」だし、顔も衣装に隠れてほとんど見えないのに、存在から動きからカオナシの感情の機微が伝わってきた。このために来て良かった~本当に~~。やっぱり山野くんの身体表現は美しさ、ダイナミックさに加えて、観客の心にストレートに届く純粋なエネルギーがある。

カオナシは青蛙をのみ込む前と後で形態が違って、のみ込む前、山野くん一人で演じるのが単体カオナシ、のみ込んだ後、複数人で演じる複数カオナシ(?)という具合に分かれていました。

単体カオナシで印象的だったのは、周りをじっと観察している間も手の指だけは微妙に動き続けていたり、全身がゆーっくり揺れたりしていたこと。指の動きはオペラグラスで見れば分かるんだけど、引きだと全身がわずかにうねっているように見えて不思議だった。これがまるで、肺の呼吸運動だったり心臓の鼓動のようで、カオナシの肉体がそこに存在しているんだというのを強く意識させられたんですよね。カオナシはそこにいて、生きている。

アニメ映画の単独カオナシはぬーっとそこに居るだけだから、私はこれまでそれを抽象的なものとして捉えていたんだけど、演劇では役者の身体性+前述の呼吸のような動きがあるおかげで、カオナシと客席の人間との間に「生」という共通点があったように思う。だから、カオナシに対して漠然とした恐怖や排除したい気持ち一辺倒にならず、同じ側に立つ生き物として捉えることができた。これはアニメ映画だけを見た私ではきっと得られない感覚だろうから、演劇で見て、それが山野くんのカオナシで良かったなあと思う。

複数カオナシはとにかく演じる役者たちのコンビネーションがすごい!最大何人で動かしてたんだろう、7人はいた気がする。意志を持った一つのカオナシとしてそこに存在していた。山野くんはその真ん中でカオナシのお面を持ち続けたり、前に突き出て表情で芝居したりもしてて、集合体の中心って立ち位置だった。運動量かなり多そう。

全体で一番好きだったのは1幕の、千尋がハクからおにぎりをもらったシーンの直後のダンス。全身がバラバラになりそうなほどの孤独感が波のように打ち寄せて増幅していく踊りで、圧巻だった。千尋は決意を新たに自分の足で立ち上がって前へ進んでいくのに、カオナシは自分と他者との境界が曖昧で不安定なままっていう、千尋カオナシの心の立ち位置が対になっているんだと感じた。悲しみ、怒り、寂しさ、飢餓感を暴力的に撒き散らしてて怖いんだけど、私も身に覚えがある感覚で、見ているだけなのに頭と胸がずーんと重くなった。

カーテンコールでは上白石萌音ちゃんが山野くんを「カオナシデビューです」と紹介してくれて、端に立っていたら三浦宏規くんが真ん中まで引っ張ってきてくれて(事務所が同じだから勝手にエモくなった)、最後には萌音ちゃんに肩組まれて一緒に礼をして、この流れが幸せすぎた!!なんだか分からないけど泣けた。

トートダンサーで見ていたときは、山野くんは身体表現全般に特化した人なのかなと思ってたんだけど、サンリオ男子コンボイ、今回のカオナシを見て、そもそも芝居が大好きな気持ちが伝わってきたんですよね。もっと言葉を使って表現する役も見てみたい。サンリオ男子接触イベントが8月にあったんだけど、握手のときにカオナシ素晴らしかったと直接感謝を伝えることができて嬉しかった。

他のキャストについても少し書きます。
初演は橋本環奈ちゃんで見ていたから、萌音ちゃんの千尋はこれがはじめまして。上手かった!!生まれながらにしてぴったりな役というより、スキルに裏打ちされた役のハマり方だったと思う。舌っ足らずだけどきちんと聞き取れるセリフとか、どんくさそうな動きをするのが上手すぎるところに技術を感じた。
神様たちの世界に行く前の千尋と帰ってきたあとの千尋が、全く別人というほどにバッサリ変わってはいない塩梅の付け方がすごく好きだった。相変わらずビビりだけど少しだけ自信がついて、ふにゃふにゃした中に芯を持つことができたのだと分かる芝居だった。

三浦くんのハクは2回目。千尋に寄り添って励ます人間の体温を感じさせるシーンと、術を使ったり竜に変身する人ならざる者のシーンの差がめちゃくちゃ好き。あらゆる制限を飛び越え、神聖な佇まいを一瞬でまとって舞台上の空気をかっさらえる役者だよ…。「キングダム」で汗まみれ泥まみれになりながら剣ぶん回して戦ってた人と同一人物に見えない。ハッとさせる身体能力だけじゃなく表情と言葉の繊細さも魅力的で、これからも色々な役で見たいです。

そして先日、来年の全国+ロンドン公演のキャストが発表されました!山野くんのカオナシがまた見られる!嬉しい!!新キャストの人たちも新しい風を吹かせてくれそうで楽しみだな~。

www.tohostage.com

 

ミュージカル「テニスの王子様」4thシーズン 青学vs六角

楽しかった!!命をかけて戦うヒリヒリした試合もいいけど、スポーツって熱いよね、楽しいよねっていうキラキラした原体験が詰め込まれた夏の時間だった。テーマ曲の「ガムシャラ~エンジョイ!」が直球で最高でした。

D1の試合後、勝って喜ぶ青学の後ろで佐伯に頭を下げて謝る樹が目に入り、部活に全力投球したことがない私でも胸が押しつぶされた。多分、佐伯が樹のパフォーマンスに怒っていたり不満を持ってるわけじゃないことは樹自身も分かってるんだけど、パートナーを信頼して真剣に戦ったからこその処理できない罪悪感なんだろうな。謝るなよと言うように樹の肩を優しく叩く佐伯も良かった。でもベンチへ戻れば仲間がいて、最後にはまた前を向けるフィナーレでとにかく爽やかだったな〜。観劇後こんなに健やかな気持ちになれる作品なかなかない。

キャストの感想で言うと、ジロー役の横山賀山くんがシンプルにめちゃくちゃ上手かったです。ダンスが綺麗だし、歌に感情をのせるのが上手い。海宝くんと同じ事務所かつ元ヤングシンバだそうで色々と納得した。

そしてリョーマ役の今牧輝琉くん!彼の体現する越前リョーマに出会って「テニスの王子様」という作品の解像度が上がった。リョーマみたいな生意気で大胆不敵なキャラクターの良さがこれまであまり分からなかったんだけど、リョーマはこういうところが魅力的で、こういうところが「テニスの王子様」たる所以なんだっていう説得力が今牧リョーマにはあった。

もっと見たい!もっと見せて!と観客の熱を煽る求心力がすさまじい。人間ってこんなに輝きと万能感をまとえるのか。ダンスも他のキャラクターとは一味違うように見えて(元々の振付がそうなのか分からないけど)、頭をクイッと傾けたり、ラケットをクイッと持ち上げる、カッコよさと可愛さを兼ね備えたあの動きは何!?とんでもなかった…。何よりも、テニスを真っすぐに愛し、貪欲に成長していく眩しい姿はまさにYOU ARE THE PRINCE OF TENNISでした。

これは2.5次元と3次元と2次元を混ぜた話になっちゃうんだけど、映画スラムダンクがきっかけでバスケットボール(Bリーグ)を観戦するようになった私は「今牧リョーマは河村勇輝」説を提唱しておりまして…。

というのも、バスケを現地観戦してて目を引くのって、まさに今牧リョーマみたいな選手なんですよ。ボールを持つと会場の空気がギュッと彼一点に凝縮されて、彼なら何かすごいことをやってくれる!と期待してしまう選手。「その高貴な輝きに人は瞬きを忘れる 照れくさいほどの呼び名が似合う お前はまさしくバスケの王子様」と心の中で歌ってしまう。河村くんはそういうワクワクする気持ちを湧き上がらせてくれるし、競技への強い気持ちとか、チームでの存在感も含めてリョーマだなあと思わずにはいられなかった。
逆に河村くんを生で見たことにより、今牧リョーマのスポーツ選手としての魅力をリアルに実感することができた。今牧輝琉くんは役者だけど、今牧リョーマはテニスプレイヤーなんですよね。
今牧リョーマと河村勇輝、両方を現地で観劇・観戦するのおすすめです。

ビルボードライブ raise me up!!!!

「KAI SHOUMA Billboard Live 2023」の横浜公演に行ってきました。

聴覚・視覚・味覚・嗅覚ぜんぶが上質なもので満たされて、ゴワゴワしていた心を綺麗に洗濯してぴかぴかに磨き直してもらった感じ。本当に本当に贅沢で幸せな時間だった。10月1・2日の4公演分の感想です。

金の額縁に入って歴史上の偉人みたいな甲斐翔真

 

0.オープニング

先に登場したバンドメンバーたちが演奏するジャズっぽいインストの曲。セトリの中で一番演奏が難しいらしい。会場の空気が徐々に高まって次の「Shut Up~」に直接なだれ込む展開が気持ち良かった。

1.Shut Up and Dance/WALK THE MOON

ムーラン・ルージュからじゃなくWALK THE MOONの方だったけど、甲斐クリスチャンがサティーンと見つめ合う姿や腰に手を添えて踊る姿、「shut up!」でジャンプするダンサーたちが条件反射で思い起こされて2倍楽しめた。回転するカラフルな照明に照らされる甲斐翔真の全身から「楽しい!」が溢れてて、あまりにキラキラしてて涙腺がゆるんだ。バンドメンバー(特にギターの山口さん)もめちゃくちゃ楽しそう。バンドとボーカルの一体感を全面に感じられたのはビルボードライブという会場ならではかもしれない。

2.星空輝いて/オクトーバースカイ

初っ端からテンション最高潮で客席の緊張をほぐしておいて、次で一気に聴かせる空気に持っていくのはずるい…手のひらの上で弄ばれました。

オクトーバースカイから歌うなら「星を見上げて」かなと思っていたから意外な選曲だった。停滞して折れそうになるけど最後にわずかな光を掲げるドラマチックな展開が、このライブの雰囲気にぴったりだったな。

横浜の1公演目からすでにホーマー成分強かったけど、2日目(3公演目)からはさらに役の感情がインストールされていて、私たちが知らない間に本役で上演してきた?と思うぐらいだった。「火遊びを続ければ火傷すると」の苦々しい感じや、「見ていろ必ず輝くさ」の反骨心がすごくホーマーだった。ムーラン・ルージュのクリスチャンの怖いもの知らずな若さとは違う、壁の高さを知っているけれどそれに立ち向かう強い意志がある若い歌声だった。

そしてこの曲はバンドアレンジが最高~~~~に最高!!疾走感のあるドラムが印象的で、オクトーバースカイがアニメ化したらこれがオープニングテーマになるだろうな。「死ぬほどーー」のロングトーンとラスサビの間の、うなるようなベースソロが本当にカッコいい。私はいわゆるロキノン系の音楽を一番多く聴いて育ったので、ウワーッと血が騒いで拳を突き上げたくなった。

3.最後のダンス/エリザベート

「甲斐翔真はトートがやりたいらしい」ことは知ってたけど、選べるなら個人的にはフランツ希望なんですよね。人外より人間の役(しかもしんどい役)で輝く役者だと思ってるから。

それがさ、こんなクオリティの「最後のダンス」をお出しされたら…甲斐トートがいいです!!!!に手のひらクルーしてしまうよ!そもそも平熱高めで健やかな生命力が甲斐翔真の特長だから、あんな妖しいオーラをまとうところを見たのは初めてで震えた…。マイクスタンドを指先でなぞる扱い方もたいへん良かったです。

これまで私が劇場で見たことのある古川雄大・山崎育三郎・井上芳雄トートは、死神と人間の2種類の配合バランスがそれぞれ異なる3人だったけど、甲斐トートはそこに野獣という新しい要素が混ざっているように感じた。口からキバがのぞいてて、「あなたは彼を選んだ」で毛を逆立ててイライラしてるイメージ。もし実現する日が来たら、韓国のような短髪トートがいいな。

バンドアレンジになったおかげか、序盤はクラシカルなミュージカル歌唱、サビからはロックな吐き捨てる系の歌唱というふうに、声の使い分けが明瞭になっていて最高だった。歌い方は古川くんのトートっぽいところが多かった(♪最後のダンス前の休符・♪踊るさぁだめぇ~の巻き方など)。ルドルフをやりながら耳で英才教育受けてたんだろうな。でも1番終わりの吐息は完全に育三郎さんのトート。「ハァ~~……」するのはいいけど、「やってやったぜ」って感じでニヤリとするからせっかくの色気が台無し(笑)。

照明も凝っていて、前奏で上から垂直に落ちる4本のスポットライトがトートダンサーに見えたし、サビでビカビカ照らしてくれるのもカッコよかった。

4.So Close/映画「魔法にかけられて

魔法にかけられて」を見たことがないので思い入れがなくて、割とするっと聴いて終わってしまった曲。ただ歌詞がめちゃくちゃロマンチック…これをリクエストから採用する甲斐翔真もやっぱりロマンチストだよなあ。ディズニープリンスそのものに見えた。

ピアノの佐藤さんとタイミングを合わせるために下手を向く頻度が高かったんだけど、このとき佐藤さんに投げかける目線が甘々で良すぎて…下手はご褒美席でしたね…。

5.真夏の果実/サザンオールスターズ

大阪公演のMISIA「Everything」から差し替わった曲。サザンの45周年ライブで本物を見て「ビルボードで歌いたい!」と影響され、ライブ帰りに佐藤さんに即連絡してお願いしたらしい(笑)。そういう行動力と素直さが、彼が周りから愛される理由のひとつだと思っているよ。

「クラウディア」で物語を背負った状態で歌うと「今この愛を君に伝えないと心臓が破裂して死ぬ!」ぐらいのビビッドさがあったけど、今回はライブ仕様で自分の世界に没入して歌っているのが良かった。「好きと言ってぇ↑」「 連れて行ってぇ↑」の歌い方が大好き。

6.車の中で隠れてキスをしよう/Mr.Children

とにかく歌いたいからセトリに入れたと話していた。これも知らない曲だったから思い入れがなくてふんわり聴いてしまったな。でも心底気持ち良さそうにフェイクを入れる甲斐翔真は見てて楽しかった。

7.One Song Glory/RENT

本公演とは違うピアノアレンジで。ロジャーの不安に伴奏が寄り添ってくれてるみたいで、優しさのあるOne Song Gloryになっていた。

3公演目の曲終わりのMCで「物語の中だとロジャーは一人で苦しんで揺れているけど、いま自分がビルボードライブというステージでこの曲を歌うことで、そんなロジャーの苦しみが報われたような気持ちになった」と話してくれた。私はいつも劇中のロジャーの感情をなぞりながら聴いていたので、役の内面を引き継ぎつつ今とリンクさせる甲斐翔真の感性が新鮮で、素敵だなと思った。

このMCを踏まえて見た4公演目では、RENTプレビュー初日の前日に亡くなったジョナサン・ラーソンのことも自然と頭に浮かんできた。後世に残る栄光の歌を求めていたロジャー、傑作の評価を自身の目で見ることなくこの世を去ったジョナサン・ラーソン、約30年後の今、甲斐翔真がロジャーの葛藤をライブのステージで「報われた」と言ってくれたことの3つが繋がって、劇中で聴くOne Song Gloryとはまた違う感動が押し寄せた。これからも色んな場面で歌い続けてほしい。

4公演目のMCではRENTの裏話もしてくれた。RENTでもバンドマスターを務めていた佐藤さんが、この曲の直後に入るミミのノックで次の「Light My Candle」の拍を取ってるんだよ、ノックをきっかけに演奏が始まるんだよと教えてくれて、思わず素で「へーー!」って大声が出ちゃった。あのノック、実はめちゃくちゃ重要だったんだな。
甲斐翔真の裏話は「Your Eyes」に関するもので、死にそうな恋人の前で、自作の曲ができたから聴いてくれ!って落ち着いて弾ける?いや弾けないだろ、だから失敗しても大丈夫、と考えるようになったらギターが上手く弾けるようになったと。こういう話もっとたくさん聞きたいな。

8.Your Eyes/RENT

劇中のようにギターで弾き語りしてくれた。やたら「失敗したら2度3度と聴けますよ、お得ですね!」とか「失敗するかもしれないので家のような感覚で見てください」とかハードル下げまくってて笑ってしまった。プレッシャーどんとこい!なタイプに見えるけど、このときは本気で緊張してたのかな、でも挑戦してくれて嬉しかったですよ。実際ほぼ失敗しなかったし。

弾き語りの準備でかわいいシーンがあったので残しておきますね。
角度のついたマイクスタンドや椅子がステージに運ばれてきて、甲斐翔真が持つハンドマイクをそのスタンドに差し、ギターを山口さんから受け取る作業の中で、甲斐翔真がギターを先に受け取るから片手でマイクを差さなくちゃいけなくて、でもそれに苦戦して山口さんにいったんギターを返すっていう1公演目のドタバタには思わず笑ってしまった。本人も「すいません段取りが悪くて」って苦笑いだった(笑)。
2公演目以降も、相変わらずマイクを差すより先にギターを受け取るショーマさん。山口さんが後ろで「持つよ…?」って表情で見守ってくれるのが面白くて…(笑)。結局「すいませんやっぱり持ってもらっていいですか?」ってお願いするのもコントみたいだった。でも最後には「学びました(キリッ)」と言う通り、スムーズに準備できてました。あー面白かった。

9.星から降る金/モーツァルト

ピアノとのデュエットで。男性が歌うバージョンも好きだから選曲してくれて嬉しかった。曲紹介では、この曲の香寿たつきさんの歌声を子守唄にしたい、ジブリっぽくて好きだって話をしていた。

丸いんだけど意志のある声色で、これまであまり見たことのない表現に感じたなあ。「愛とは解き放つことよ 愛とは離れてあげること」の、大切なものを大切な人に手渡すような丁寧な言葉の置き方がすごく好きだった。

10.You Raise Me Up/Westlife

山口さんのギターが素敵な音色をしているから、このギターが目立つようなアレンジをお願いしたと話していた曲。フィギュアスケート荒川静香さんのイメージが強くてひたすら壮大な曲だと思っていたけど、アコギの落ち着く音色と、甲斐翔真の下から湧き上がるような表現力のおかげでガラッと雰囲気が変わって身近に感じられた。「You raise me up」のフレーズを繰り返しながらゆっくりとピークに上っていくコントロール力がすごい。聴きながら、この幸せな時間がまさに「raise me up to more than I can be」してくれる~とクサイことを考えてしまうぐらい良かったです。だから記事タイトルにもしちゃった!あー恥ずかしい!

11.I'm Alive/next to normal

自分の持ち歌のような安定感。曲自体はアップテンポなロックで大好きなんだけど、作品内での位置付けを知っているから単純にワーッと盛り上がっていいのかいつも戸惑う(笑)。バンドメンバー含め全員がいきいきとしてて、この時間が終わってしまうのが惜しかった。

12.Hold Me in Your Heart/キンキーブーツ

ここからアンコール。1公演目から4公演目にかけてどんどん上手くなるから驚いた。作品の中で見ると、ここのローラはこれまでの痛みを引き受けて心を開いている印象だったんだけど、甲斐翔真のは単発の歌唱だからか強烈な寂しさと、相手に向かって必死に手を伸ばして求める心の叫びの生々しさが強く残った。

13.Come What May/Moulin Rouge! The Musical

ティーンとのデュエットではなくリプライズの方を英語で。この曲は英語歌唱の上手さが留まるところを知らないな…どこまで良くなるんだ…。「Never knew I could feel like this」で手を差し出したり、「Like I've never seen the sky before」で空を指さして少し上を見たり、仕草がすごく映える歌い方だった。

そして「Hold Me~」から「Come What May」の曲順に意味を見出さずにはいられなかったのですよ。「Hold Me~」は傷つけて傷つけられて、それでもあなたの手を取ることを諦めないっていう、気持ちの方向としては一方通行な曲だと私は思っていて、でも「Come What May」が次に来ることで、2人の心が相互に通じ合った未来を描き、祝福しているように感じた。クリスチャンとサティーンのハッピーエンドと、ローラとお父さんの和解はもちろん、もっと多様な、人が人を大切に思う気持ちを肯定するアンコールの2曲だった。こういうストーリーを想像して重ねることも許してくれる、懐の深いセトリだなあと今振り返って思う。

MCで好きだったところ

・ひとつのライブを作り上げるという経験ができてすごく勉強になりました。
・こういうライブで自分の今の立ち位置が確認できる(これまでの歩みを確かめられる、みたいなニュアンス)機会があるのは素敵なことでありがたい。
・(アンコールで出てきて)一人でアンコールを受けるのは初めてで変な感じがします…一人じゃないです、チームですけど!とバンドメンバーの方に手を向ける。ここ以外にも、バンドと一体になって作ったライブだというのが伝わる瞬間が何度もあった。
・(グッズ紹介で)「アクキーのミニショーマは紅生姜と同じ発音」のネタがお気に入りなのか昼夜で同じこと言う。
・お昼に食べたのはローストビーフとお米…ライスですね。一緒か(笑)。
・(ステージを端から端まで往復しながら)皆さん見えてないと思ってるでしょ?見えてますよー。飲んでますか?食べてますか?
・(上手端まで歩きながら)偵察しに来ました。
・僕の歌はBGMだと思ってリラックスして聴いてほしい、それぐらいの空気感が今回のライブは理想。そうもいかないでしょうけど(笑)。じゃあBGM歌いまーす!
・(夜公演で)次は何を歌おうかな…まあ決まってるんですけど(笑)。皆さん昼公演の人たちにネタバレされてないですか?(無言のオタクたちの反応を見て)…されてんなあwwwこれでも役者やらせてもらってるんで感情のキャッチボールは得意なんですよ!w
・時が経つのは早いもので、もう最終公演ですよ。やだなあ…よしっ!やだなって言ってるのにすぐよしっ!ってなるの情緒不安定ですね(笑)。

 

衣装について

1公演目の黒ハイネックニット×黒いダブルのジャケットがバチボコに優勝でした。ダーツ入りで少しくびれたシルエットが超〜〜似合ってた。私自身ダブルのジャケットが好きなのか、ダブルのジャケットを着こなせる人が好きなのかもはや分からないけど、とにかく甲斐翔真にダブルのジャケット着せたら勝ちです!

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コンサートもファンミーティングも、アミューズでの帝劇貸切公演(愛希れいかさんFC+アミューズ有料会員)もカレンダーイベントもやってるし、ハンサムライブで自分向けのうちわも見てるはずなのに、いまだに「自分のファンは本当にいるんだろうか…」って思ってるの、もはやオモシロの域なんですよね。

だからこそ、ファンクラブができました!と本当に嬉しそうに話していたのが印象的だった。目に見える味方を得た甲斐翔真のこれからを、変わらず見続けていきたいなーと思ったライブでした。

歯の矯正を始めました

少し前からワイヤーの歯列矯正を始めた。
記録する場所をTwitterかインスタかブログで迷っていたんだけど、長文を書くならやっぱりブログがいいなってことで、ここに書いていこうと思います。

決断した経緯や詳細な主訴は伏せますが、ざっくり書くと、20年以上通っていた実家近くの歯医者じゃなく、会社から徒歩数分の歯医者に行ってみたら「歯並びについて今まで何も指摘されませんでしたか?」とめちゃくちゃ含みのある切り出し方をされたのが始まり。不安すぎた。審美的なところというより、噛み合わせを直して将来自分の歯をできるだけ残す目的です。

 

上の歯にブラケットを付けた日

装着直後はそこまで痛みを感じなくて拍子抜けした。付けた瞬間から痛いのかと思ってた。でも巨人に顎を鷲掴みされているような、これまで経験したことのない顔の下半分だけに感じる圧迫感…。
矯正に関して一番不安だったのが、食事と毎日の歯磨き。夜になると少し痛くなってきたけど、結局食い意地が勝って普通にもりもり食べた。歯磨きも、元々タフトブラシとフロスを使っていたおかげで面倒がらずにできた。

 

2日目

痛い!!!!歯に何か当たると痛い!!!!!!けどお腹はすくので食べる。私は食欲>>>>痛みの人間です。梅ひじきおにぎりを食べた後にブクブクうがいをしたら、口内でひじき栽培してたっけ?ってぐらい器具に引っかかっていたひじきがワサッと流れ出てきて笑ってしまった。
前日、担当の歯科医師に「一度に上下付けると違和感がすごいので、慣れてもらう意味でも上だけにしますね」と言われて「一度にしてくれた方が処置費節約できるのに~」なんてケチなことを思った自分を省みた。上下一気にやったらマジで何も食べられなかったと思う…先生ありがとう。

 

3日目

ココくんのチョコクリスピーを豆乳でやわやわにしたやつが今一番美味しい。きゅうりを一本まるごとかじって食べるのが好きなのに、きゅうりに歯が当たるだけで痛い。歯磨きには完全に慣れた。

 

4日目

まだ全然痛い。どんどん痛くなってきてる気がする。どうせ何食べても痛いなら好きなもの食べた方がよくない?とヤケになって、カステラ・どら焼き・プリンと、やわらかくて甘いものばかり選ぶ。一般的には矯正すると食欲なくなって痩せるって言われてるけど、こんな食生活してたらむしろ太る。

 

5日目

何もしていないときの違和感はだいぶマシになってきたけど、やっぱり物を噛むとズシーンとくる。今日もココくんのチョコクリスピーで命をつなぐ。

 

7日目

上の親知らずを2本抜いてきた。先生が上手かったのか、抜かれたことに気付かないぐらいスムーズに終わった。抜いた痕も縫ったりせず、止血用のガーゼを詰めて終了。
帰りに百貨店の催事の物産展をのぞいてみたけど、食べたいものがことごとく硬そうで何も買わずに帰った、寂しい…。

 

2週間後

ふるさと納税の返礼品のぶどう3房詰め合わせが届く。種なし巨峰・サンシャインレッド・シャインマスカットの3種類。シャインマスカットの皮を歯でパリッと破るときに若干の痛みはあるけど、そうよ私は食欲>>>>痛みの女、どんどん食べた。おいしかった。

 

19日目

下のブラケットも装着してきた。巨人に顎を鷲掴みされる圧迫感再び。上と比較にならないぐらい下の装置に物が詰まりまくって引く。ワイヤーと歯の隙間にお米1粒がジャストサイズで詰まるのは本当にやめてほしい。お米を食べさせてくれ。
上のブラケットに1つずつ巻かれてるゴムも新品に変えてもらったら、意外と着色してたことに気付いた。紅茶は毎日飲みたいからある程度茶色くなるのは諦めている。カレーとキムチは我慢してるから偉い!

 

27日目

下の装置に食べ物が詰まるのが不快すぎる!!わざわざ不快になるものを手間と時間かけて作る気になれなくて、自炊をほぼしなくなる。マルチビタミンプロテインで栄養を補う。

 

30日目

やっと1カ月。見た目の変化は全くないけど、フロスが通る感覚の違いは感じるから多分少しずつ動いているんだと思う。

 

食事の話ばっかりしてますね…。数カ月後にはアンカースクリューを打つ予定だし、ゴム掛けもあるし、まだまだ先は長い~。虫歯にならないように頑張ります。

2023年のミュージカル「RENT」

Twitterが騒がしいですが、長文の形で残したい感想は変わらずここで書いていくつもりです。
上半期のまとめをしたくて記事を書いていたんだけど、特に今年はRENTに触れずに振り返ることはできないなと思って。RENTの感想は自分の結構深いところまで語らざるを得なくて、ほぼ完成まで仕上げたところで、これは表に出さなくてもいいかなと考え直しちゃって寝かせてあったんですよね。でもいい機会だし、これならまあと思える程度に所々調整してみました。なので自分語り多めでやや長いです。

 

 

作品全体について

RENTは2015年以降上演される度に最低1回は見てるんだけど、今年はこれまでとは違う特別な年だった。2020年の公演中止からの待望の復活だったり、「Over The Moon」でマスク着用なら声出し可になったりだとかっていう環境的なものだけでなく、カンパニーが成熟して、それが作品にしっかり反映されていたように感じた。偉そうだけど、日本上演のRENTが円熟期に来たなと思った。

これまでのRENTの観劇体験は、ミュージカルというより「ストーリーのあるショー」を見ている感覚だった。この「ショーっぽいな」という気持ちも、2023年版を見て過去公演を改めて振り返ったからこそ抱いたもので、リアルタイムで見ていた当時はむしろショーらしさを期待して楽しんでいた部分があったかもしれない。
でも知らぬ間に心の奥に沈殿していたこのぐるぐるした思いに、2023年版の観劇で初めて気付き、そしてそれを解消することができた。私はずっと、芝居としてRENTを見たくて、そして今回初めて、RENTを芝居として見てもいいんだ!と自分の視点を受け入れ、受け止めることができた。これはすごく大きな変化だった。

作品に関連するインタビューを読むと、RENTって「嘘がない」とか「生っぽい」「リアル」みたいな言葉で語られることが多いんですよね。

mdpr.jp

ranran-entame.com

(これは超個人的な意見として聞いてほしいんだけど)芝居は嘘の上に成り立つもので、私は嘘が本当になる瞬間を味わいたくて劇場に行っている自覚がある。だから、本当になるようにやる意気込みはとても好きだけど、最初から「これは本当です」の姿勢で来られると、そうだけどそうじゃないんだよなーと、作品と自分の間の溝として認識してしまってたんだと思う。私が劇場での観劇体験に求めるものと、RENTの軸となる精神性みたいなものの相性が元から少し悪かったのかもしれない。
もちろん、自分が過去に見てきたRENTに対して「あれは芝居じゃねえ~~!」と怒り狂う気は全くない。これは私が作品にどう向き合うかの話だし、過去のRENTがあったからこそ今分かることがある。こうして認識を改めたからといって過去公演で感じた感動や熱量は汚されないので、こんな語った後だけど、これまでも良かったし今年も良かったなーってところにやっぱり着地する。

で、そんな芝居らしさを2023年版に見出だせたのは、やっぱりキャストの個性のおかげだったかなあと思っていまして。特に芝居としての流れを感じたのは平間マーク・甲斐ロジャー・八木ミミ・百名エンジェルがいる回。

 

マーク/平間壮一

平間マークは、マークとしてステージで生きながら、時間を刻んで進める役割においてはとてもフラットで、他者との壁を意識させる佇まいだったのが印象深い。
時間は平等に与えられている。リミットが近いから焦る人、今を楽しみたい人、残り短い人生を少しでも長く愛する人と過ごしたい人、いろんな人がいる。健康なマークの時間もみんなと平等に進む。そしてマークにとって、1日はこの先長く続くであろう人生の1日でしかない。季節は、これから何回も巡ってくるであろう季節の1回でしかないっていう、ある種の冷静さと現実味が、ナレーションのようなセリフ部分から感じられた。
平間さんは、「RENT」「La Vie Bohème」「What You Own」などエモーショナルになるところは思いきり爆発するのに、その流れを自ら止めることもできる人で、演じながらカメラの映像を編集しているみたいだなあと思った。

 

ロジャー/甲斐翔真

甲斐翔真さんのロジャーは、正直2020年がどんな風だったか思い出せないぐらい今年が良くて、上書きされました。ごめんな3年前の甲斐ロジャー。
ロジャーって焦りの人だと思ってたんですよね、これまでは。いつエイズが発症するか分からない不安から人生を生き急いでいて、それこそ「tick tick…BOOM!」の「30/90」のように、常に時計の秒針の音が聞こえている人。
一方で今年の甲斐ロジャーは、自分に残された時間の感覚は持ち合わせつつ、その時間を幅で捉えようとはしないで、終わりの一点だけを強くイメージしているように見えた。自分の心臓が止まる、時が止まるまさにそのときに、自分は何を残せているだろうか。そういうものの見方が表れていたのが「One Song Glory」だと思う。この曲、めっっっっちゃくちゃ丁寧に歌っていて、フレーズごとに込められた感情の重みに圧倒された。
「このギターで真実を燃やせ 永遠に」の和訳が詩的で大好きなんだけど、甲斐ロジャーが歌う「永遠に」は「ずっと残れ俺の歌!」って歌に重きを置いた決意じゃなく、「歌が永遠に残っても俺はいつか死ぬ」の意味で、自分がいない世界の方に着目しているように感じられた。最後の「時は止まる」も、ロジャーの命の時計が止まったイメージが表情や声から明確で、ぽつんとした寂しさが漂っていて良かった。甲斐ロジャーは死をとても身近なところに置いているんだと思った。

甲斐翔真さんの情報量の多い無言の芝居が大好きだから、「Will I?」や、「Goodbye Love」でブチギレる前のシーンは毎回食い入るように見ていた。無言だけど心はぐるぐる動いてるシーンって無意識のうちに自分の頭の中で感情の声をアフレコしちゃうんですよ…しちゃいません…?じわっと染み出してくる感情や一瞬で湧き上がる感情、ひとつひとつの繊細な表現にめちゃくちゃ引き込まれた。
セリフのないシーンで人物の感情を読み取る最大のヒントは表情だけど、個人的には呼吸にもかなり注目して見ている。吸って吐くっていう無意識でもできる当たり前のことであると同時に、やらないと死んでしまう、命に直結した活動でもある。甲斐翔真さんの芝居を見ていて、いつもと違う呼吸はその人物の命にガソリンが与えられて「動くぞ…!」と準備してる段階なのだなと考えるようになった。デコルテや首のあたりに注目すると結構分かりやすいと思います。
「Will I?」だと、ずっと下手袖側を向いていたのが客席側に顔を向ける瞬間や、ジャケットを手にして最後に逡巡する瞬間に大きく深く呼吸しているように見えた。本人は無意識なのかもしれないけれど、感情がバチバチとスパークして、それが行動に繋がったかのような流れが感じられて大好きだった。

Wキャストの組み合わせは、甲斐ロジャーと八木ミミペアが特に好きだった。なんでかっていうと、ここは多分似た者同士だから。同じことに怯えて、同じ距離感で愛を求めて、同じことで傷つく。愛するのも愛されるのも怖い。二人とも、きっと自分のことが嫌いなんじゃないかなあ。でも相手が悲しいと自分も悲しいっていう、鏡合わせのような二人だった。
二人のミミの違いは特に「Another Day」が印象に残っている。遥海ミミは最初から愛の人なので真っすぐロジャーを勇気づけようとしている。八木ミミは、後ろ向きな甲斐ロジャーを見ているのがつらくて、私が必死に生きようとしているのになんであなたはそうなの!?と半分怒って半分悲しんでいる感じがした。過去に踏ん切りがついてる遥海ミミと、過去に引きずられそうなのを必死に振り切る八木ミミだった。
だからこのあとのシーンの甲斐ロジャーも、遥海ミミ回だと素直に背中を押されて部屋から出られたように見えるし、八木ミミ回だと止まっている自分に嫌気がさして我慢できなくなって行動したように見えた。Wキャストの醍醐味~!

 

エンジェル/百名ヒロキ

百名ヒロキくんは、エンジェルってこういうキャラクターだよねってステレオタイプを壊してくれた新しいエンジェルだった。
私の中でエンジェルは、みんなに愛を与え、愛で包んでくれる人だという認識が強い。愛を信じられず向き合えないロジャーたちとは対照的に、コリンズを真っすぐ愛し、みんなを愛す。まさに天使…というより、もっと上の、神様のように完璧な人という印象だった。エンジェルが死んでみんなの関係が壊れていく過程も、神様がいなくなった世界だからバランスがおかしくなって壊れちゃうんだなと思っていた。

ところが百名エンジェルは完璧な神様なんかじゃなく、みんなと同じ人間で、それでいてみんなの手を繋がせてくれる不思議な人だった。華やか、ゴージャス、エレガントよりも、チャーミング、アクティブって言葉が似合う。特別なんだけど親しみやすくて、自然と仲間が集まってくるんだろうなって説得力がある。一緒にいるだけでみんなが癒やされる、まるで暖かな暖炉の炎のよう。
私が初めて見た日の「Today 4 U」は少し固かったんだけど、必死な感じがらしさとして絶妙に作用していて、一発で好きになった。2回目の観劇ではそのたどたどしさを一気に整えてきてて、うわっさすが!!!!とパフォーマンスに対して素直に感動した。でもチャーミングさは失われていなくて、1秒1秒がずーーっと可愛い。みんなが泣きながら歌う「I'll cover you rep.」を、上手のセット上から自分も泣きそうな顔で聴く姿も大好き。観光客の道案内で道を間違えちゃうけど、当初の目的地よりもずっと特別で素敵な場所へ連れて行ってくれそうなエンジェルだった。

 

ベニー/吉田広大

今回の公演で吉田広大くんという役者に惚れ直しました。マジで歌えるし踊れるし芝居もできる…。
「Santa Fe」のホームレスの中にベニー役の役者も混ざってるの今年まで気付かなかった。はしごに上って腕だけで体を支え、歩いているかのように足だけ動かすダンスは何がどうなってるんですかね…?「Contact」で小熊倫さんをリフトする直前の、準備できてるよって目で合図を出して構える瞬間がなんだか超好きだった。

ベニーを敵認識して嫌なヤツと見なすのはすごく簡単なんだけど、吉田くんのベニーは簡単にそうジャッジさせてくれない。本当に半々だったなあと思う。
アパートから締め出しておいて「今夜はお前らと一緒にいたいんだ」と言ってくるベニーを「ハア?どの口が」と非難するのはさ…それはそうなんだけど、吉田ベニーの目の真摯さだったり寂しさが、嫌な気持ち100%で受け止めさせてくれないのよ!ずるい!
一番好きなのは「You’ll See」の「素晴らしいスタジオ 好きなだけ仕事ができるさ」の明確な夢とビジョンを持った目と歌声。ベニーはベニーなりに仕事やアートへの情熱を持っているんだよね。お金を稼ぐことだけが目的ではない。でもスポンサーの顔色もあるし、どうしてもマークたちと対立する構図になっちゃうっていう。ロジャーとマークは納期破っても自分の納得の行くものを作るタイプで(しかも納期延長の交渉しないで破りそう笑)、ベニーは納期を守るために妥協すべきところはするタイプなのかなと想像した。
甲斐ロジャーとのミミをめぐるバチバチなやり取りも大好き。ライフカフェでミミと再会して歌う「君のようないい子がこんなヤツらといるとは」でミミの太ももに手を置くんだけど、それが直前までミミとイチャついていたロジャーと全く同じ行動なんだよね。めちゃくちゃ喧嘩売ってる~~~(そもそも無断で体に触れるなというのはあるが)。甲斐ロジャーもその置かれた手をギロッと睨むんだよねえ…。甲斐ロジャーと吉田ベニーはマジで反りが合わなさそうで良かったです。

 

最後に

物語の一年間という時間軸で人生観の変化が明確に描かれているのは、マークとロジャーだけなんだなと今年ハッと気付きまして(違うだろって思うも人いるかもしれないけど)。コリンズにもエンジェルを失うという大きな出来事があったけれど、その前後で物事の捉え方が大きく変わるタイプの変化ではなかったかなと思う。
マークは一人生き残るだろうけど、仲間と通じ合えた時間があるから「一人じゃない」と思えるようになった。アーティストとして撮りたいものを撮るんだって軸を取り戻した。
ロジャーは外へ出ることができたし、何よりも「命なんてない」と歌っていた彼が「生きよう」と言えるようになった。すっごくシンプルだけど普遍的で、究極で最大のメッセージ。何回見ても、ロジャーが「生きよう」と歌ってくれた瞬間に、心の底からああ良かったと思うことができた。

次回の上演も楽しみです!

「マリー・キュリー」「ジキハイ」「白鳥」感想など

怒涛の2023年3月が終わりました。仕事しながらこんなに舞台やイベントに行くこと、今後のオタク人生でもうない気がする。せっかくだし記録しておこうと思います。

本当はRENTもこの記事に入れたかったんだけど、1万文字超えるし、書いても書いても終わらないので別にします。

 

ミュージカル「マリー・キュリー

mariecurie-musical.jp

1回だけ見るつもりだったけど超良かったので追加しました。宣伝の感じだと、移民で女性というダブルで弱い立場にあったマリーが困難に立ち向かっていく、フェミニズムやエンパワメントのメッセージが強いのかと思っていた。
でも実際に作品を見てみると、もちろんその面はありつつ、特に2幕はラジウム発見を巡っていち科学者としてその功罪にマリーが苦しむ姿や、人間の手で扱いきれないものを「発見してしまった」マリーが翻弄される姿が中心になっていた。この2幕の描き方が、作品を一段階上へ押し上げていたように思う。前例のないことを逆風に負けず成し遂げた女性!って作品もまだまだ現代には必要。でもそこで終わらず、ひとりの職業人としての苦悩も描くことで、多面的で色々な見方ができる作品になっていた。

まず脚本については、マリーとラジウムの同一化の構造が本当に見事だった。流れを説明すると、マリーが「それ自体が爆発的なエネルギーを発して光っている」物質について夢中になって話す姿を見て、親友のアンヌは「それってマリーみたいだね」と言う。この物質っていうのはラジウムで、ここで初めてマリーとラジウムの同一化、同一視が行われる。(でもそれ以前から、ちゃぴマリーの体や言葉からほとばしるエネルギーを見ていた観客は、まるでマリー自身のことのようだな、と感じていたと思う。少なくとも私はそうだった)
話が進んで、ラジウムの危険性を認識しながらも実験の進行を優先したマリーが「ラジウムが危険だと世間が知ったら、自分ごと否定されるのではないかと思った。それが怖かった」とアンヌに打ち明ける。
そしてアンヌはそれを真っ向から否定する。「自分がラジウムになったつもり?あなたはマリー・スクロドフスカ!それだけで十分なのよ」。もう……泣いたわ!!!!研究に埋もれかけていたマリー個人にここでビタッと焦点を持ってくる展開、上手すぎませんか…。

この作品、ファクション(ファクト×フィクション)を謳っている通り、ファクト、つまり歴史だと無視されがちな個人を、フィクションで掘り起こす作業が行われてるのだと思った。
ここで効いてくるのが「見えないからといって存在しないわけじゃない」というマリーのセリフ。本筋では未発見の元素について言っているけれど、様々な要素とダブルミーニングになっている。当時被占領国だったマリーの故郷・ポーランド、本当はラジウム健康被害で亡くなったのに死因は梅毒だと隠蔽された、歴史に名前の残らない大勢の工員たち、女性、移民。物語の枠を超えて、社会で「いないこと」にされている全ての人に向けた言葉だと思う。
そして、そんな「いないこと」にされた工員たちの名前をアンヌがフルネームで呼び、セットに投影された元素周期表に名前が浮かび上がり埋まっていく演出がまた一層感動的だった。消されかけていた存在に光が当たった瞬間だった。
これ、フルネームで呼ぶのが超大事だと思うんですよ。工員たちは一度も自分でフルネームを言わない。アンヌが初めて呼ぶ(ちなみにアンヌが工員たちをフルネームで呼ぶシーンは2度ある)。見えないからといって存在しないわけじゃない、危険な仕事場で雑に扱われても、ひとりひとりの人生があった。名前って、そこに生きる人間個人を他者が認識する最初で最大の手段だから、フルネームでアンヌが呼んでくれたことにとても嬉しくなった。

キャストについても書きます。まずマリー役のちゃぴちゃん(愛希れいかさん)、役に魂ごと捧げる姿が研究に没頭するマリーに重なって、その説得力と気迫に圧倒されっぱなしだった。ミュージカルでマリーといえばマリー・アントワネットだったけれど、この「マリー・キュリー」以降はもう一人の「マリー」が誕生したんじゃないでしょうか…!
年齢を重ね、劇中では描かれていない経験の積み重ねに説得力を持たせる芝居ぢからも本当に素晴らしい。何があったのか想像する気になるし、実際に想像することができるんですよね。
未来へのドキドキと希望に満ちてアンヌと別れた後、ソルボンヌ大学でフランス人の男子学生たちに取り囲まれ差別されるシーン。それまでぴょこぴょこと羽根が生えたように歩いていたマリーが、ここでは口を真一文字に結んで、雑音を無理やり振り切るように、無駄な動きを省きツカツカとロボットのように歩く。これだけで、入学してから味方がいない環境で孤独に戦ってきて、そのせいで全身に力を込めて武装したこの姿勢、この歩き方が身についてしまったんだと思わせられた。老年期から若い時代、悲劇的なシーンから日常への切り替わりもかなり多かったんだけどそれも見事で、ちゃぴちゃんは時計の針を自由自在に操れるの…?

マリーの夫・ピエールを演じた上山竜治さんは、こういう芝居でも活きる人だったんだと失礼ながらめちゃくちゃ驚いた。これまでは派手で癖のあるキャラクターで見ることが多かったんだけど、ピエールのように穏やかで、言ってしまえば他を引き立てる役を、飾らずとにかく実直に演じていたと思う。
特に印象的だったのは、マリーが研究中にケーキ(バブカ)を「切り分けてもらえる?」とピエールに頼むシーン。ピエールは微笑んで「ああ」と答える。このやり取りがめちゃくちゃ自然で、マリーとピエールの関係ではこれが普通なんだ、これができるのがこの夫婦なんだとハッとした。現代の家庭で、別作業中の女性に台所まわりの仕事を頼まれて快く応じる男性はどれぐらいいるんだろう…。
マリーとピエールでもっと言うと、キスシーンがないの…!これ、革命的じゃないですか?素晴らしい選択だと思った。二人はもちろん愛情で結びついた夫婦だけど、それ以上に科学を追究し挑戦する同志なんだよね。そして愛情はキスがなくても描ける。マリーの背中に回るピエールの手、ピエールの肩に顔を寄せるマリーで十分だった。

作品が重なりまくった3月の上演、かつ情報解禁が他より遅めで、日比谷ではなく天王洲アイルの劇場ということで、開幕前は券売に苦戦していたようだった。でも初日の幕間から、タイムラインで「これはヤバいぞ」と盛り上がる感想を見かけるようになって、その数と熱量は日を追うごとに増していった(もちろん、私にはそこまでだったなーって感想も見かけた)。私も早めの日程に1回目を見て割と熱心に感想をツイートしたので、秀作の客席が徐々に埋まっていく現象はやっぱり嬉しかった。
大阪公演は4/20~4/23だそうです。U-22チケットも出てた!

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ミュージカル「ジキル&ハイド」

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柿澤・笹本・上川・桜井、柿澤・真彩・上川・桜井で計2回見た。
柿澤さんが大優勝でしかない〜。大河が終わって脂がのっているであろうタイミングでこの役に巡り合ってくれてありがとうございます…。こういう柿澤さんが見たい、こういう柿澤さんが好きっていうオタクの嗜好を余裕でぶち抜いて燃やして超えていった。
柿澤さんの身体性がめちゃくちゃに際立つ2役だった。運動神経がいい・悪いを超越した、ステージでの表現に特化した特別な身体を持っていると思う。ハイドに初めて変身するシーンが特に好きで、体を丸め、反らし、ねじり、ちぎれてバラバラになるんじゃないかってぐらいのたうち回り…怪物のような歪なシルエットが奥のセットに投影されて、ジキルの背中から別の生き物が生まれたみたいだった。照明も含めて素晴らしいシーンだった。
柿澤さんの芝居は、目線や仕草、セリフの言い回しなど細かいところに、その役が世界をどう見ているかを忍ばせてくるのが本当に上手くて、今回もそれを堪能させてもらった。
例えば「知りたい」の神に誓うところで、跪く直前に右の口角をクッと上げていた。歌詞は「神よ 勝利の日を導かん 力与えたまえ ヘンリー・ジキル あなたのしもべだ」かな。ポーズと言葉のみだと神の支配下に進んで入ったように見えるけれど、この片側だけ上がった口角はむしろ、科学で神に挑戦する気概と野心の表れだった。
父を救うための研究だという善の部分を前のシーンで見せているから、この不遜で傲慢な態度が一層際立つ。ジキルという人間を序盤で多面的に見せることが、この後の展開に効いてくるから上手い。
ジキルの善ではない部分でさらに言うと、ハイドに初変身するよりずっと前から左手の動きが怪しい(ジキルは右手、ハイドは左手を司る演じ分けがされているのは、「変身」の見せ方などから明らかだと思う)。
病院の理事会メンバーに研究を全否定されると、ジキルの左手が何かを捻り潰すようにバキバキとうごめくの怖かった〜。イラつきと不満、もっと言えば憎しみの表れだった。ハイド変身に繋がる要素がこの時点からちりばめられているのだなと思った。ジキルはまっさらな善ではない。
ジキルは、人間の心は善悪に分けて悪を抽出すれば善だけが残ると仮説を立てたけれど、そんな単純な話ではなく。2つは複雑に混ざり合い共存していて、どんな割合でどちらが態度や行動として表面に出るのかは、そのときの状況や気持ちによって異なるんだよね。

笹本玲奈さんと真彩希帆さんは、それぞれ方向性の全く違うルーシーを作り上げていて、ダブルキャストの面白さをここまで感じたのは久しぶりな気がする。
玲奈ちゃんは、ある程度の年齢までは一般的な生活を送っていた女の子が、何かの事情でどん底で働かざるを得なくなってしまったルーシー。普通を知っているからこそ、もうあそこには戻れないのだと現状に絶望し諦めている。「新しい生活」は、どんな部屋に住み、どんな仕事をするかなど具体的に想像している感じ。
真彩さんはもう…何も知らない女の子で、物心つく前から宮川さん演じるオーナーの元にいたんじゃないかな。殴られてヘヘッと笑いながら言う「申し訳ありません」が、長年の虐待に対して出てしまう反射的な媚びの笑いって感じで、胸が締め付けられた。「新しい生活」は初めてここ以外での生活を想像して、希望や理想が無限に湧いてくる感じだった。
それから殺される前、ハイドの歌う「Sympathy, tenderness」を聴くルーシー二人の反応がそれぞれ素晴らしくて…。玲奈ちゃんはこの曲でハイドがジキルだと気付いて、目を大きく見開いてショックを受けた表情になる。そこから、ジキルに殺されるのなら…と受け入れるような柔らかさが最期にほんの少し見えた気がする。
真彩さんは、歌を聴くと今の恐ろしい状況を忘れ、子守唄を聴く子どものように目を閉じてうっとりしてるの…。たとえハイドが歌っていようとも、真彩ルーシーにとってはジキルの部屋で過ごした恋しい時間を思い出させる歌なんだなあ。愛情の欠落やルーシーの幼さを改めて感じた。個人的に、真彩さんは音楽と深く結びついていて、どんな音楽とも仲良しになれる人という印象なので、状況よりも歌そのものにルーシーの気持ちが連動したこの解釈はすごく好きだった。


Kバレエ「白鳥の湖

www.k-ballet.co.jp

去年の夏ぶりのバレエ観劇!これまでKバレエで見たのは、シンデレラ・くるみ・カルメン・ロミジュリ・クラリモンドかな。どの作品も踊りはもちろんセット、衣装、照明、演出などまさに総合芸術だな~と素人ながらに思っていたけれど、白鳥はその中でもすば抜けて「「「美」」」を徹底的に追求していた。
特に白鳥のコールドバレエの揃い具合よ。CGかと思うぐらい揃っていた。衣装も本当に素敵で、異素材が何重にも重ねられたスカートや裾の繊細な装飾が揺れるたびに心がときめいた。

キャストは楽しみにしていたベンノの関野海斗さんとロットバルトの堀内將平さん!
関野さんは初めて見たときに、そのシャープな回転がバレエというよりまるでストリートダンサーのようで衝撃的だった(バレエダンサーにとって褒め言葉じゃなかったら申し訳ないけれど、バレエを初めて見たミュージカル好きの感想として聞いてほしい)。Kバレエの男性陣の中だと体格が小さめなんだけど、踊るとその差は全く気にならず、むしろ背の高いダンサーよりも伸び伸びと踊る姿が魅力的に見えた。重力を感じさせないのではなく、重力を跳ね除けるような弾力性のあるジャンプも好きです。
ベンノは芝居で遊びをかなり入れられる役のようで、お酒を飲もうとしたところをおじさんに止められ、「飲んでないッスよ~^^」と誤魔化した直後に隠れて一気にあおったり、もらったボウガンで一生遊んでたり、見ていて楽しかったです。
堀内さんのロットバルトはめちゃくちゃフクロウだった!白鳥とは違う種類の鳥だというのが踊りで明確に表現されていて面白かった。ロットバルトの大きなマントの衣装は素敵だけど、ジャンプのときに足のラインが隠れてしまうのがもったいない…。


イベント系

  • 甲斐翔真オンライントーク
  • 甲斐翔真対面カレイベ
  • 甲斐翔真ファンミーティング

なんでこれ全部3月にやった!!?お陰様でオタクスキルが上がりました。オンラインと対面、それぞれの良さを活かせたと個人的には思う。聞きたいことたくさん聞けて楽しかったです。
ファンミはキャパを増やせ!でも本人が300ぐらいの大きさが好きらしいので、じゃあ公演数を増やせ!(強欲)集まったオタクがいつ頃から自分を応援しているのか、やたら気にしてて面白かった。


番外編:ハードスケジュールを支えてくれたもの

アミノ酸系飲料、めっちゃ効きます(個人の感想です)。楽屋の鏡前に粉で溶かすタイプのアミノ酸がよく置いてあるのにも納得した。3月のスケジュール組んだ段階では、何度か仕事寝坊しそうだなーワハハ!ぐらいには思ってたんだけど、無遅刻無欠勤で乗り切れたのはこれのお陰。
私はソワレから帰宅した後、夕飯代わりにコンビニで売っているアミノ酸入りの炭酸飲料を飲んで、お腹が膨れているうちに寝ちゃうって流れをよくやってました。翌日、まあ背中とか観劇筋(?)の凝りはあるものの、全身のダルさはこれまでよりも軽減されていた気がする。

3月の教訓:心身の健康あってのオタク。

 

甲斐翔真さんの言霊シリーズ

ムーラン・ルージュ」クリスチャン役でご出演おめでとうございます。

 

いや〜〜〜〜……
止まんねえな甲斐翔真!! !!!!!!!!!!!!!

 

スター街道なのか王道なのかは分からないけど、でっかくて真っすぐな道のど真ん中を爆速で駆け抜ける規格外ボーイ。
そんな甲斐翔真のインタビュー記事のうち、夢や目標について語っているものを読み返してみたら、現時点で実現しているものが多く、面白くなっちゃったのでいくらか集めてみました。
ガチガチに全て集めきったというわけでは全くないのでその点ご了承ください。

 

  • 2016/12

まだ、目標を立てられるような実力はないので目標とは言えませんが、今は映像をやり、いつかは舞台にも出てみたいです。ミュージカルが大好きで、劇団四季の『ライオンキング』は3回観ました。ミュージカル、いつかやってみたいです」

news.yahoo.co.jp

「ミュージカルやってみたいです」は叶いまくっとるんよ。
2015年10月上演の「プリンス・オブ・ブロードウェイ」を見て本格的にミュージカルに目覚めた*1話は色々な場所でしてますが、これはその観劇から約1年後の記事ですね。

 

  • 2018/10

老若男女に愛されるような存在になるのが目標です!

moviche.com

愛されてるよ!!!!!!!!

 

  • 2019/11

甲斐翔真ってなんかいいよねって言われるようになりたいですね。なんかいいよねっていろいろ詰まっている気がして。文字面では伝わりづらいですけど。心のどっかに触れるような、人の心に何かを残せるような役者になりたいです。

www.jprime.jp

「なんかいい」どころの騒ぎではない。

 

目標はミュージカル界に名前を轟かせること。やるなら1人でも多くの方に僕の存在を知ってもらいたいですし、いろんな作品に出て、いつかは事務所の大先輩である岸谷五朗さんと寺脇康文さんがやられている地球ゴージャスの作品にも出てみたいと思っています。

www.fujitv-view.jp

(どうしても贔屓目になってしまうけど)今まさに轟かせ始めてるところと言っていいんじゃないでしょうか。
今回の記事書いててここが一番ゾワッとした。地球ゴージャス出演*2もまさに去年叶えとるんよ!!

 

  • 2019/10

今の目標は、開幕までに「最初に撮ったPVを消してください!」と言えるくらい成長すること。
これは『仮面ライダー エグゼイド』に出演したときからの目標なのですが「今の自分を恥ずかしがれるように」「第1話の自分を恥ずかしいと思えるように」ということを、常に考えています。

numan.tokyo

カイショーマ節だ~~!!キャッキャ
このメンタリティ持ってたらどんな職業でも活躍できると思う。

 

  • 2021/02

言霊って存在するんだ、とつくづく思います。「バンドをやりたい」と言ったら、事務所の仲間たちとバンドを結成して活動することもできましたし......。

僕のミュージカル好きを決定的にした作品は、『ジキル&ハイド』。韓国で観て好きになり、動画も探してはまり、「いつか出演したい!」と目標のひとつになりました。リーヴァイさんの作品も好きです。『モーツァルト!』や『エリザベート』も。『エリザベート』のトート役にもあこがれますね。

matisowa.jp


この時点ではトートに憧れると言ってるんですけど、2022~23年と「エリザベート」の世界で生き、実際に3人のトートと芝居で対峙して、今改めてどう思うか聞いてみたい。

言霊について本人が触れてるのもいい…。去年12月のこの記事でも「言霊って言いますから」と話しているし、やりたいことを積極的に言語化するのを彼自身かなり意識してるんだろうなって気がします。

cancam.jp

 

  • 2021/04

無敵状態になっていたいです。(中略)何を求められても応えられる人になりたい。そういう存在になれたらいいなと思いました。

voguegirl.jp

以前のブログで言ってたことの再放送で申し訳ないんですけど、この「無敵状態」って本当〜〜に良い。こんな言葉なかなか出てこないよ。甲斐翔真にしか見えていない世界を表す言葉じゃないですか。変に謙虚になりすぎないその大胆さと覚悟はものすごく大きな長所だと思う。

thabu.hatenablog.com

 

  • 2021/08

甲斐:世界中に家作りたい。そこら中に家があるのが夢です。

阿部:自然の中はどうですか(笑)

甲斐:自然の中もだし、ビルの高いところとかにも作りたい。世界中に行きたいですね。今一番家を作りたいのは韓国です。近くていいじゃないですか(笑)韓国で暮らしてみたいですね。

engekisengen.com

これまでの回答とジャンル違いすぎだろ。取材現場が和気あいあいとしてたんでしょうね。世界中に家という発想、面白すぎる。

 

  • 2021/10

ミュージカル「フランケンシュタイン」のビクターや、ミュージカル「ジキル&ハイド」のジキルとハイドを演じられたら最高です。特に「ジキル&ハイド」は僕の人生の目標です。

natalie.mu

「ジキハイやりたい」はずーーーっと言ってるから絶対絶対叶えてほしい!!!!
ちなみに、ビクターとあるのは何かの手違いで本当はアンリがやりたいです、と2021年のクリスマスコンサートのMCで本人が訂正してた。惑わされる甲斐ビクター派のオタク。

 

  • 2022/01

20代のうちに成し遂げたい野望はありますか?
―― 一度でも海外で仕事をしてみたいですね。
(中略)あとはそうですね、帝劇で主演舞台に立つ!

bizspa.jp

2023年用のカレンダーをNYで撮ったから「海外で仕事」も叶えとるんよ。

無知で申し訳ないんですが、キャストページの並びだとクリスチャンよりサティーンが先だから「ムーラン・ルージュ」の主役はサティーンと思っていいのかな…?

 

  • 2022/06

留学したいです。

landoer.jp

オタクの適当発言だけど、そう遠くないうちに本当に留学しそうな気がしません…?もし今後そのチャンスがあって本人も希望するなら、逃さず掴める環境にいてほしいなと思う。

 

 

最高~~~~~~……

しか言えなくなっちゃった。言ってること大体叶えとるんよ。

 

改めて感じたのが、物事を見る次元が人と違うってこと。やりたいことを聞かれて固有名詞で答えるのってすごく勇気がいると思う。会社から来期の目標設定しろって連絡が来ると毎回精神を病む私とは住む世界が別だ。でもビッグマウスじゃないし、偉そうでもない。むしろ清々しさを感じるから不思議。

「言霊」ってキーワードが記事に何度か出てきたとおり、自分が口にする言葉を大切にしているし言葉の影響力を信じているんだと思う。そんな人が好きな役者で、その人の芝居を見られてしみじみ幸せです。

この先もやりたいこと全部やっていってね。

最後にオタクの言霊を残して終わります。
甲斐翔真さんの「スリルミー」の彼と「フランケンシュタイン」のビクターと「サンセット大通り」のジョーが見たいです♡♡♡